田中一馬ブログ

動かない和牛

久丸福のお肉販売「第一弾」が完売しました!!
ありがとうございます。

次回第二弾(後編)はロース、ヘレ、モモ。牛の一番美味しい部位になります。販売は4月10日頃の予定。詳細はブログに書きますのでお待ちくださいね。

動かない和牛

和牛は今、連日枝肉価格の暴落を更新しています。

それに伴い子牛価格も連動して暴落。特に神戸ビーフなど、輸出やインバウンドでの売り上げが大きい高級和牛の下落が大きい。
先月の淡路家畜市場の去勢子牛は昨年同期比46.7%。税込み平均58万円と昨年よりも51万円安となりました。

肉が売れず冷蔵庫はパンパン。枝肉価格下落。出荷すれば赤字。出荷頭数控える。牛舎が空かない。子牛導入頭数減。子牛価格はさらに下落。

新型コロナによるインバウンド減で和牛が動かない。

和牛が動かないと農家の収入は滞ってしまいます。別に和牛だけが大変だなんて言うつもりはない。今はみんなが大変な時期だものね。ただ、一般的な製造業と違うのは生き物だということ。肉牛は出荷しなければコストが増えるだけじゃない。死亡事故のリスクも増える。繁殖も同じでお腹の中にいる子は予定日が来れば生まれてくる。

「じゃあ一旦種付けをやめればいい」って思う人もいるのかな。牛はすぐにはお金にならない。母牛の人工授精をし子牛市場で販売できるまで最短で1年半もかかる。その子牛を買って肉にする肥育の場合はさらに2年かかるのだ。畜産業が成り立つためには牛肉の流通を止めることはできない。

そんな中、日本農業新聞に和牛商品券の記事が出た。滞る和牛消費を促そうとする畜産対策のイチ提言でしかなかったが、瞬く間にSNSで拡散されtwitterでは大炎上となった。東日本大震災の時もそうだったけど溜まった負の思いは捌け口を見つけると一気になだれ込む。正直和牛商品券なんて畜産農家は必要としていない。もっと必要な施策はあると思う。

今こそ国内で和牛の魅力を知ってもらう時期なのにね。「高級和牛なんて!」と和牛そのものがはけ口になっては元も子もない。そう思って動画を作ったら結構叩かれました笑。でも杞憂だったな。そんなことにみんな固執できないくらい日々状況は変化している。どれだけショッキングなニュースも流れていく。だからこそ継続的な発信こそが大切だし信頼を生むんだと感じています。

僕らは和牛を動かさなきゃいけない。

それは政治頼みでも農協の無料配布でもなく農家自身が発信し営業するってこと。
もちろん僕は消費もする。和牛好きだからね。

新型コロナによる牛肉暴落の中で今なにをすべきなのか?

僕はいつも発信発信って言う。だけど発信すれば肉が売れるかといえばそんな簡単じゃない。当たり前だ。それでも発信をしなくてないけない。牛飼いの魅力でもいいし、肉に関する情報でもいい。自社の宣伝でもいい。もちろん自分を出してもいい。

仕事に注ぐ思いを形にしたのが牛であり肉なのは当たり前なんだよ。その上でその1%でも発信に割いて欲しいって思う。知ってもらわなきゃこだわりも意味がないから。別にうまく言う必要なんてない。飲みながら熱く話す内容の一部でいいんだよ。ツイートなんて1分でできる。フォロワーが少なくても必要なら僕が拡散する。笑う奴なんてほっとけばいい。なんでも垂れ流せってことではなくね。そうやって層の厚い発信でリアルな畜産を知ってもらうべきなんだと僕は思う。和牛って本当にすごいんだって生産者はみんな思ってるんだから。

今回僕は久丸福という牛の牛肉販売をした。
牛半頭分600個の商品がwebだけで30分で完売。実はここ数年毎回こんな感じなのだ。自慢じゃないからね。こういうこと書くとお客さん減るんだからね。実際今回は「もう毎回買えないから参戦するのやめます。」とも言われたし、力不足で毎回申し訳ないなとも思う。

なぜこんなスピードでお肉が完売するのか。それは僕が何年も1日も休まず発信を続けてきたからです。もちろんその土台には和牛の美味しさがある。だからと言って発信すればこんなふうに肉が売れるって話ではないよ。言いたいのは国内にもまだまだ需要はあるんだってことです。魅力が伝わってない。しっかりと魅力を伝えれば理解してくれる人はたくさんいるってこと。

和牛を動かすのは生産者でも業界団体でも政府でもない。
食べる人なんだよ。

だからこそ伝えましょう。

それが和牛を動かすってことになると僕は思う。

鳥だって豚だって卵だって牛乳だって米だって野菜だって同じだ。

コロナで重い空気の中、食べ物は凄い力を持っていると思う。僕ら生産者が想いを込めて作ったもので温かな食卓を送り続けたいね。

だから今日も僕は4年先を見て牛に種をつけます。

頑張ろう。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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