田中一馬ブログ

子牛相場が下がるなかで出来ることって何だろう?(但馬家畜市場4月市)

但馬家畜市場4月子牛市でした。

twitterを開けばコロナコロナ。今、日本中、世界中の話題のほとんどが新型コロナウイルスについてだと思う。ウイルスの強さ云々ではなく、それくらい実生活に影響が出ているってこと。当然畜産を取り巻く状況も日に日に悪化している。今やインバウンドによる影響だけじゃない。緊急事態宣言も出され飲食店自体が店を閉める流れになってきた。和牛が動かない。これは非常に大きな問題だと思ってる。高い安いだけの話じゃない。

動かない和牛

経済が止まれば国内での消費も落ち込む。高級牛肉である和牛。特にロースヘレは現在殆ど動いていない。動く見込みもない。冷蔵庫もパンパン。出荷自粛のみならず出荷制限のある地域も出ている。先日の神戸ビーフの共励会ではA5-9でも3,000円/kgを切り、枝肉価格の下落は未だ回復のめどが立たない。当然全国的に子牛価格も大幅下落の流れだ。別に悲観してるわけじゃない。大変なのは牛だけじゃないもんね。今の流れでやっていけないなら、やり方や在り方を変えるしかない。

今後枝肉市場が閉鎖する可能性だってあるし、子牛市場の中止や延期も十二分に考えられる。家族経営で小回りの効く僕らのような農家は弱いようで強いはずなんだ。市場一つに偏らず臨機応変に動ける体制を今考えていかなくてはいけないと思ってる。

それでは今月の市況です。

但馬家畜市場4月子牛市

雌110頭 最高1,108,800円 最低357,500円 平均597,070円 前年同期比325,746円安 先月比130,307円安

去勢155頭 最高784,300円 最低137,500円 平均547,126円 前年同期比497,006円安先月比116,612円安

総平均567,857

(前年同期426,300円安

結果は去勢メスともに大幅の下げ。前日に発表された緊急事態宣言で三重県の農協が市場参加を取りやめたのも大きかったとは思う。でもまあ予想の範囲内だった。

正直この価格でも肥育農家は厳しいと思う。一方で繁殖農家としてもこの平均価格はギリギリのライン。でも平均はあくまで平均なのだ。購買者がお金をかけてでも欲しいと思う牛を作ること。分娩間隔を早めること。事故ゼロに近づけること。今に限ったことじゃないけどね。これがどこまでできるか。

そしてその上で収入源を複数作るということだと思う。

子牛市場一本に依存するのではなく、肥育して2年後に枝肉として出すのも一つ。枝肉価格にも依存しないようにしたいなら小売もある。相対での売り先を探してもいいしクラファンだってある。まだ学生の子たちは削蹄などの専門技術を身につけてもいいと思う。技術は身を助けてくれる。

今回僕は4頭とも持ち帰って肥育することも視野に入れて出荷した。2年半後に肉として切る準備もしてた。でも結局1頭も持ち帰ることはありませんでした。このご時世と相場の中でどの牛も高く評価いただけたから。調子なんて乗ってない。本当にありがたいことだと思う。

肉として売るのが正解だなんて言うつもりはないよ。

臨機応変に動ける準備をしておくこと。
それが将来につながると僕は信じています。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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