田中一馬ブログ

紡いでいたのはただの動物の毛でなくて、その方と動物との愛なんだ

こんばんは。

田中畜産の田中一馬です。

たまには僕もこんなコーディネートをするんですよ。

なかなかオシャレでしょ!

(後ろの本棚マンガばっかじゃねえか!とか今はいらないからね。)

実はこのニット帽、マフラー、ベストは全て我が家の牛の毛で作っているんです。

但馬牛は牛の中でも皮ふ被毛が良いのが特徴。

実際牛を触ってみると良くわかるのですが、ふわふわのパーマがかった毛質で、絨毯のような密度があります。

2008年に家の全ての親牛をブラッシングして、50頭分の毛を集め紡いでもらいました。

だからこのベストやニットは田中畜産の全てなんです。

2007年、島根県の起業家スクールに通っていた時に陶山千代さんというタペストリー作家さんと出会いました。

まあほんとにイカしたおばちゃん姉さんで、かっこいいんです。

講義の中で陶山さんがプレゼンをしたんですが、それに胸を打たれて制作をお願いしました。

(詳しくは2009年11月に書いたブログで→「愛おしさを紡ぐ」)

ちょっと当時のブログを抜粋しますね。

陶山さんは未脱脂羊毛という脂を抜かない状態の毛を使ってタペストリーやジャケット、セーターなどを製作されています。

原毛を自分で洗って未脱脂羊毛作りからされているんです。

普通の羊毛は脂分もすべて洗い落としてから流通されています。

一方、未脱脂羊毛は人間の体毛に近い性質で丈夫で肌触りがよく、保温性、保湿性、防水性に優れています。

しかも大事に着れば100年はもつというもの。

だからそのセーターは子供や孫に受け継いでいけるんです。

着継がれる物って物語があって素敵ですよね。

そんな陶山さんが話してくれたこと(3年前の話なので若干ニュアンスが違うかもしれません)

ある日、プロのタペストリー作家である陶山さんのもとにある方が犬の毛を持って来られました。

「家族のように連れ添った犬をずっとそばに感じていたい。」

そのためにこの犬の毛を紡いで欲しいと来られたそうなんです。

陶山さんも最初は戸惑われてそうですが、お世話になった方でもあり、その方の犬への愛情をよく知っておられたものでその毛を使って糸を紡いだそうです。

そんな中、愛犬が死んでしまいます。

飼い主の方は高齢の方で、まるで生きる張りを無くされてしまったかのようでした。

未脱脂の毛は匂いが少し残るそうです。

肌触りもそのまま残るそうなんです。

陶山さんは紡いだ糸で手袋を作り、飼い主の方のもとへ届けにいきました。

その作品を見て触って嗅いだとき、飼い主の方は愛犬を側に感じられたそうなんです。

思い出をずっとそばに持ち続けることができ、生きる力を取り戻すことができたと。

その時陶山さんは「自分が紡いでいたのはただの動物の毛でなくて、その方と動物との愛なんだ。」と気づかれたそうなんです。

そして今後はそういったつながりや関係を紡いでいきたい。

そんなお話でした。

僕の伝え方が悪くてうまく伝わっていないかもしてませんが、僕はこの話を直接聞いた時、ガーンとショックを受けたんです。

そしてその後すぐに「牛の毛を紡いでもらえませんか?」とお願いにあがったんですよね。

すごい取り組みですよね。

毛糸製品が欲しいんじゃないんです。

大切なパートナーの思い出を常に感じていたい。

唯一無二の製品。

「自分が紡いでいたのはただの動物の毛でなくて、その方と動物との愛なんだ。今後はそういったつながりや関係を紡いでいきたい。」

かっこよすぎます。

その陶山さんが「犬を纏う猫を着る」という本を出版されました。

毛の紡ぎ方の本ではありません。

毛を紡ぐまでのお客さんとのエピソード集です。

ちなみに僕も出てます。

この服たちは普段着ることはありません。

牛の毛は短いのでちょっとチクチクするし、抜けるのも多いので白シャツには難しい。

肌触りは圧倒的にカシミアの方が良いです。

(keisukeokunoyaのカシミヤマフラー。これはこれで凄いので後日書こう。)

だけど、欲しいのは服だけど服じゃないんだよね。

僕もお肉を届ける仕事をさせていただいています。

でも本当は届けているのはお肉じゃない。

ドキドキする特別な夕食の時間であったり、笑顔が絶えない家族との思い出の空間だったり。

うちのお肉を通してそんな体験を提供している。

全ての商品は体験を届けているんだよね。

この牛の毛のニット帽、マフラー、ベストは僕にそんなことを教えてくれる大切な宝物なんです。

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但馬牛の繁殖から放牧牛肉まで。

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田中畜産 代表 田中一馬

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として様々な農家の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛を中心に長期肥育や経産肥育、放牧牛肉の生産などをスタート。
好きなものは牛肉、漫画、純米酒、ウイスキー。ここ1年はサウナにドハマり中。

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