最終更新日2019.1.13 17:14
何を届けているのか。何を届けたいのか。
11月27日に今年の放牧敬産牛肉となる『ひさふく』を屠畜してきました。
次回のブログでひさふくのことを書こうと思います。
実は最近「お肉の販売について教えてください」というご要望をよくいただきます。
そのうちの半分は施設や資格、初期投資についての質問。
そしてもう半分の方が「どうやってお客を上手につかんでいるの?」と言ったセールスの手法についてです。
施設や資格については後日書きます。
今日は半数の方が質問されるセールスについてです。
最初に結論を言いますが、僕はお客様に上手に売り込む方法なんて知りません。
そんなバンバン売れてないですし、牛飼い優先でとにかく発送が遅いのでお叱りを受ける事も多いです。(すいません。)
ただ、何か出来ることがあるとすれば商品の改良はもとより、地道に情報発信を続けること。
これにつきます。
実は過去に2回ほど発行部20万部とういう有名女性週刊誌に広告を出したことがありました。
結果は散々なもので、広告を見ての注文はゼロ。
おまけに広告を見た広告屋から毎日ひっきりなしに広告の営業電話という「広告会社に個人情報を見てもらうためにお金を出して広告した」状態に。。。
また、テレビや新聞などメディアに何度も取り上げていただいていますが、直接購買に繋がるケースは少なく(食彩の王国は別でした)殆ど方がブログやHPを通してお客様になってくださっています。
そういったことから結局、自分が伝えたいことを地道に伝え続けることが一番だと今は思っています。
派手さはなくても積み重ねた分、それは資産だと思うのです。
僕は2001年、借金をし5頭の牛と軽トラから牛飼いを始め、2008年にお肉の販売を始めました。
なにも知らないぺーぺーな牛飼い(繁殖農家)が思いだけで始めたお肉屋さん。
それは同業者から見れば遊びや道楽に見える規模。
素人もいいとこで全く思い通りにはいきませんでしたが、お肉の販売を積み重ねることでようやく肉に関しては納得のいくものが提供できるようになってきました。
一方で販売に関して感じているのが、世の中には自然だとか、本物だとか、完全だとか、曖昧な言葉で商品を説明しているものが多いと言うことです。
僕も気を抜くとつい使ってしまう事があります。
この言葉どれもが単体ではいいイメージなんだけど、実はこういった聞こえの良い言葉をつける背景には対立している既存の商品があったりします。
既存品に反発する事で商品価値を高める耳障りのいい言葉。
それっていわば既存品あっての商品。言い換えれば既存品のおこぼれないんじゃないの。
僕はひねくれているので自分が使うとなるとそういうふうにとらえてしまいます。
お肉の販売について「放牧などで牛肉を生産しているならそういった消費者団体を通して売ったほうがいい」というアドバイスをいただきくこともあります。
でも、ぼくはあまり好きでないのです。
キーワードだけで選ばれるって、イメージ売ってるみたいで。
僕が売ってるのは牛肉です。
放牧牛肉だけど放牧を売っているのではなくって、届けているのは牛肉なのです。
この商品はそんな言葉の力を借りなければ通用しないものか?
食べてもらう牛のこと、牛の育った環境のこと、但馬牛のこと、届けたいことがあります。
だからお肉を販売しています。
しかし、届けているのはお肉です。
そこに僕たちの届けたいもので飾るのではなく、届けたいものをを乗せているのです。
届けているものと届けたいもの。
この2本を見失わないように進みます。