最終更新日2020.1.3 22:03
肉あっての牛ではなく、牛あっての肉なんだよな。
牛肉相場は下がれども、牛肉人気は衰えない。
和牛、黒毛和種、A5、霜降り、小ザシ、赤身、長期肥育、グラスフェッド、放牧、雌、経産未経産、小豆色、融点、照り、不飽和脂肪酸、肥え方、ドライエージング、枯らし、熟成、etc、、、世の中には牛肉を表現する色んな言葉がある。
でもこんなのはただの言葉なのだ。地図で言えば方角くらいのものだと思った方がいいい。
牛は個体差が大きい。そこに方向性を示し形作るのが農家であり肉屋だと思う。
だから僕は人で買う派なんだよね。
和牛、黒毛和種、A5、霜降り、小ザシ、赤身、長期肥育、グラスフェッド、放牧、雌、経産未経産、小豆色、融点、照り、不飽和脂肪酸、肥え方、ドライエージング、枯らし、熟成、、こんなのはただの言葉だ。牛は個体差が大きい。そこに方向性を作るのが農家であり肉屋だと思う。だから肉は人で買う派。 pic.twitter.com/GMzqg0vxzk
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) December 27, 2019
それでも牛肉の味には誤差がある。同じ農家でも牛によっては明らかなレベルで味は異なる。
今や肉好きの中では神戸ビーフや特産松阪牛の素牛として特別視される但馬牛。
1991年の牛肉・オレンジ自由化では輸入牛肉との差別化でサシの入る但馬牛は重宝された。その後全国的に改良が進み、増体やサシでは但馬牛以外の黒毛和種が勝るようになったが、次は「味」で重宝される但馬牛。
改めて凄い牛なんだなと僕は思う。実際本当に美味しいし。
ただ、霜降りを入れるために但馬牛が生まれたわけでも無い。美味しさを求めて作られた牛でもない。もともとは役牛。たまたまサシが入り美味しい牛だったんだ。
もちろん美味しい肉にするために農家は研鑽努力している。でもそれは但馬牛という牛があるからこそ、できることなんだとも思っている。
この但馬の環境が但馬牛を作った。
飼い方も牛も年単位で変化するけど、これが但馬牛の土台なのだ。
気候、風土、文化、人。
肉あっての牛では無く、牛あっての肉なんだよ。
僕は繁殖農家だから、ことさらに強くそう思う。
放牧で青草のみで飼育してもこんなふうにサシが入るのが但馬牛。和牛がWAGYUと呼ばれ世界中で飼われるのはこの遺伝子が唯一無二だから。これを後世に繋げるのが繁殖農家。形にするのが肥育農家の仕事だ。産ませて肥らせるのとは少し意味が違う。 #牛ネタ pic.twitter.com/AlgiUQ3T5w
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) April 25, 2019
お肉の販売をしていろんな肉を食べ続けて改めて思うのは、牛に関われて幸せだということ。
だからこそ肉が知りたい。
そんな気持ちの繰り返しなんだよな。