田中一馬ブログ

肉あっての牛ではなく、牛あっての肉なんだよな。

牛肉相場は下がれども、牛肉人気は衰えない。

和牛、黒毛和種、A5、霜降り、小ザシ、赤身、長期肥育、グラスフェッド、放牧、雌、経産未経産、小豆色、融点、照り、不飽和脂肪酸、肥え方、ドライエージング、枯らし、熟成、etc、、、世の中には牛肉を表現する色んな言葉がある。

でもこんなのはただの言葉なのだ。地図で言えば方角くらいのものだと思った方がいいい。

牛は個体差が大きい。そこに方向性を示し形作るのが農家であり肉屋だと思う。

だから僕は人で買う派なんだよね。

それでも牛肉の味には誤差がある。同じ農家でも牛によっては明らかなレベルで味は異なる。

今や肉好きの中では神戸ビーフや特産松阪牛の素牛として特別視される但馬牛。

1991年の牛肉・オレンジ自由化では輸入牛肉との差別化でサシの入る但馬牛は重宝された。その後全国的に改良が進み、増体やサシでは但馬牛以外の黒毛和種が勝るようになったが、次は「味」で重宝される但馬牛。

改めて凄い牛なんだなと僕は思う。実際本当に美味しいし。

ただ、霜降りを入れるために但馬牛が生まれたわけでも無い。美味しさを求めて作られた牛でもない。もともとは役牛。たまたまサシが入り美味しい牛だったんだ。

もちろん美味しい肉にするために農家は研鑽努力している。でもそれは但馬牛という牛があるからこそ、できることなんだとも思っている。

養父市の葛畑放牧場にて

この但馬の環境が但馬牛を作った。
飼い方も牛も年単位で変化するけど、これが但馬牛の土台なのだ。
気候、風土、文化、人。

肉あっての牛では無く、牛あっての肉なんだよ。

僕は繁殖農家だから、ことさらに強くそう思う。

お肉の販売をしていろんな肉を食べ続けて改めて思うのは、牛に関われて幸せだということ。

だからこそ肉が知りたい。
そんな気持ちの繰り返しなんだよな。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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