田中一馬ブログ

9歳の息子が見た「牛をかう」話

小4の息子が学校で書いた作文を見せてくれた。

牛をかう
 ぼくの家には、だいたい五十頭くらいの牛がいます。ぼくは、牛が大好きなので、牛飼いの手伝いは、できることは何でもしたいと思っています。
 ぼくが、一番好きなことは、牛を散歩に連れていくことです。散歩に行くのは、一頭だけです。最初は、クスミのまわりを歩くだけだったけど、だんだん、川に入ったり、境の旧道に行ったりしました。そして、散歩の後には、必ず体を洗います。牛の散歩は、ひもをただ持つだけではなくて、言うことを聞かせたりしないといけません。止まってほしい時は「バッ」といってひもをたて向きにふり、左に曲がってほしい時は「ハチ」と言ってひもを横にふります。ぼくも、牛の散歩をしてみたけど、むずかしかったです。だから、お父さんに教えてもらってます。牛の散歩を始めて少したったころ、牛が犬にきょう味を持ったみたいで、牛に前に犬が来たら、牛が走ってきてこわかったことがありました。でも、牛は意外におそかったです。
 その他には、夏になったら体をかいてあげて毛をとってあげたりします。また、牛にえさをあげたりもします。大きい牛だったら一頭四〜五キログラムのえさを食べます。たまに子牛がだっ走したりもします。いろいろなことがおきます。
 ぼくの家の牛は、放牧もしています。放牧は、鹿やタヌキやアナグマやさるがいる中で生活します。牛は急な山道でも登ったりできます。放牧している間は、雑草を食べるけど、たまに山に行って牛舎のえさをあげることがあります。牛はけがはあまりしないけど、山で死んだりする牛がいます。そんな時はとても悲しいです。
 子牛はずっとお母さん牛のそばにいるけど、たまに生まれてから二、三日でお母さん牛が死んでしまって、子牛だけになったりすることがあります。でも、そういう牛も元気に育ちます。子牛はお母さん牛とはなされて、子牛部屋に入らなければないらないことがあります。しばらく日がたつまで、お母さん牛はずっと「モー、モー」と、大きな声で鳴きます。子牛をさがしているのです。
 牛は、メス牛がかわれて、オス牛は、牛舎にあまりいません。オス牛は、肉になる牛と、子どもを産ませる牛になるからです。肉になる牛は、きょせいをして、肉をやわらかくします。メスにせい子をあげる牛は、とてもいい牛です。
 ぼくは、牛のことで知らないことがまだまだたくさんあるので、お父さんに教えてもらって、牛のことをもっともっと知りたいです。

凄いな。よく見てんなと思った。

正直仕事中は子どもと話なんてしないし、家でもわざわざ牛の話はしない。聞かれたら答えるけどあんまり聞いてくることもない。

ただ、そんな日々の生活や些細な会話の中で息子が心に留めてきたことがここにはかかれてるんだろなって、親として不思議な気持ちになった。

まあ、お父さんから一言だけ言わせてもらうと、「そんな親牛死んでないからなーー!!!」「たまに死んじゃうって書いてるけどそんなことないからなーーーーっ!!」って声を大にして言いたい笑。

でもそれも息子にとって大きな出来事の一つであり、彼の心の景色なんだろうと思う。

牛飼い云々ではなくこの生活の一つ一つを大切にしていきたいと、長男の作文を読みながら感じました。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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