田中一馬ブログ

蹄って内科のカルテなんです

「蹄で牛の健康って分かるわな」今日はそんな話を兄弟子としてた。

蹄病じゃなく蹄の質の話ね。

牛にとって大切な蹄の厚み。それを決めるのは蹄の長さと角度だ。長さがあれば厚みは作れる。

でも牛は一頭一頭違うんだよね。長さも角度もあくまで目安。結局僕が一番信頼してるのは実際に蹄を触った時の感覚だったりする。

感覚って曖昧な言葉やな。
でも実際にそうなんだよ。

目安は確かに大切。ただ、鵜呑みにすると応用が利かない。スケールでは測れない部分を理解しているからこそ、僕は思い切って鎌を走らせることができるのだ。

硬い柔らかいとはまた別の鎌から伝わってくる触感。微妙な色の変化。角質の若さからも蹄の厚さは想像できる。

そんなふうに蹄を切っていくと「この長さと角度でこの色が出るか。。」とか「なんかシャリっとして気持ち悪くて鎌を動かせない。」とか、まだ形としては全然切れるはずなのに怖くて鎌を止めちゃうケースがある。そしてそれは大抵が正解なんだよね。

なんか気持ち悪い。自分の感覚が鎌を止めてしまう。そんな蹄は農家によって顕著な傾向がある。

蹄って牛の履歴書みたいなもんなんだ。人だって体調が爪に出るのと同じ。
アシドーシスやカビ毒によるエンドトキシン、先天的の腎不全。。。調子の悪い時の牛って健全な角質を作らないんだよね。

腎臓悪い子はこういう蹄が多い

削蹄で語られるのは蹄病や角度や厚みや立ち方など運動機能としての話がメインだ。

でも本当は内科のカルテなんだよな。

蹄から牛にできることよりも。蹄を見ることで牛にできることの方が大きいのだ。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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