最終更新日2019.1.8 16:20
牛だって恋してる。
こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。
2月14日はバレンタインデーですね!!
僕が初めてチョコを貰ったのは小学校6年生の時。
そこから22歳まで、ひとつもチョコをもらえなかった話は、、、どうでもいいですね。
恋って何だろう
突然ですが、『恋』って何だと思いますか?
ほとんどの方が恋愛を経験されたことがあると思います。
「恋は表面的、愛は深さ」「恋は下心、愛は真心」などなど。
恋と愛の話って、昔から文学、芸術、哲学、世間話とずっと尽きないテーマです。
岩波国語辞典(第7版)によれば
【恋】異性に愛情を寄せること、その心。恋愛。
とあります。
『異性に愛情を寄せること。』
これを恋というのなら、牛にだって恋はあると思うんだよね。
動物にとって愛とは『種を守る本能』、恋とは『種を残す本能』
産まれた子牛に対する母牛の姿を見ていると、これって「種を守るための本能なんだな」って実感することが多いです。
お産の時に角をむけて人に向かってくる牛、自分の子に乳を飲ませても他の子が来たら蹴り倒す牛、離乳をした時に叫ぶように鳴く親子の姿。
これら全てが牛なりの愛情なんだと僕は思います。
本能と愛情って別のもののような気がするかもしれない。
でもその姿はやっぱり、愛以外の何物でもないと思うんだよね。
同じように、牛にとって恋とは「種を残す本能」です。
うん。
う、うん。
はい。
ストレートっす!!!
牛の恋、ストレートっす!!!!
牛たちの恋愛事情
そんな牛達ですが、なかなかストレートに思いを馳せられない事情があります。
現在国内で飼われている99%の牛たちが、凍結精液による人工授精。
牛同士のコミュニケーションはほぼ皆無です。
人工授精って、なんだかかわいそうに見えますよね。。。
でもね、もともとは大正時代に大流行したトリコモナス病(性病)の発見がきっかけ。
但馬牛物語(兵庫県畜産会・昭和54年刊行)によると、当時原因不明の不受胎や流産が多発拡散しており、畜種間に大恐慌を来たしていたと書いてあります。
この病気を防ぐため、各地で和牛の人工授精が採用されるようになりました。
この人工授精に使われる精液は、全体の3%にも満たないエリート種雄牛のみ。
9割以上の雄牛は去勢されます。
去勢牛された牛と違って、男性ホルモン全開の雄牛は迫力ハンパない。。。
削蹄の時も緊張で手が震えそうになる。
でもね、そんなモテモテエリートのお相手は、
お相手は。。。。。。
ロボ(偽牝台)です!!!
電動式です!!!
上下します!!!
擬人化だって分かった上で、やっぱ牛の恋は切ないねって思う僕です。