最終更新日2019.9.22 18:10
ミスジにはなぜサシが入るのか?
ミスジってご存知ですか?
ミスジは牛のウデの一部。
「どんな牛でもここにはサシが入る!!」っていうくらい、牛肉の中でも霜降りの入りやすい場所です。
甘みのある脂とウデ特有の香ばしさが特徴の人気部位でもある。
和牛のミスジを見ていると、僕は胸が高ぶってしまう。
それは黒毛和種が本来持っている能力を一目で感じられるからかもしれない。
放牧した経産牛でもこんな風にサシが入る。
ミスジのある場所
このミスジ、牛を4つに分けたときの「前」部分にあたります。
(部位の説明はこちらのブログをどうぞ「牛の部位は4つに分けて考えよう」)
「前」は牛の体の中でも非常に負重がかかる場所。
こんな風にジャンプしたり急旋回したり走ってブレーキをかける時も、負重はすべて前に行く。
(画像をクリックすると動画が見れます。)
そのため牛の前半身は様々な種類の筋肉から構成されています。
https://instagram.com/p/Bdz__3EjQyd/
負荷がかかると筋肉は発達し、肉質は硬くも香ばしくなります。
それがネックやウデ、肩ロースなどの「前」部分の特徴です。
ではでは、なぜ同じ「前」であるミスジに、こんな風にサシが入るのでしょうか?
ミスジにはなぜサシが入るのか?
牛の「前」を分割していくと、大きく肩甲骨から剥がれる部位があります。
これが「ウデ」。図で言う所の②の場所です。
実はこのウデには衝撃を吸収するための特別な仕掛けがあるんです。
牛の後ろ足は骨盤から大腿骨へと繋がっており、骨と骨が関節で繋がっています。
一方で前足は関節によって骨と骨が連なっていません。
肩に張り付くように肩甲骨がくっついています。
牛が歩くときには後肢の推進力が体幹を伝わり、前肢がそれを受け止めて進みます。
その衝撃に対応するため、前肢には20種類もの筋肉が集まっています。
このように大きな負荷がかかるウデ。
しかし実は肩甲骨と胴骨を支える20もの筋肉によって、その衝撃はスプリングのように吸収されます。
その中でも最も負荷がかからない「肩甲骨の内側」にあるのがミスジなんですよね。
力が逃げる場所だからこそ、放牧していてもサシが入るということなんです。
はー、筋肉って面白い。
強さだけではダメ。
緩急あって機能的に作用しているんだなって、ミスジを見ていると思います。
肩甲骨は柔軟性が大切
そんな肩甲骨の下に位置するミスジは、人で言う所の三角筋、棘下筋、小円筋にあたります。
https://twitter.com/tanakakazuma/status/955643531422347264
実はここは昨日僕が攣った場所。
肩甲骨をスムーズに動かすためには柔軟な筋肉が必要。
ミスジってそんな感じだよな。
牛の負重を吸収する場所。
柔軟さがあのサシと食感を生んでいると思う。
肩甲骨はゆとりあってこそ。
こうなる前にしっかりとストレッチをして、牛のように可動域を広げたいですね!!
https://twitter.com/tanakakazuma/status/955017555055296512
って、、、硬ーーーーーーーーーーーーー!!!
ロボかよ!!!