最終更新日2019.1.8 16:19
畜産業で見過ごされがちな粉じん被害。電動ファン付き呼吸用保護具でじん肺予防を!
粉じん障害防止規則って知ってますか?
簡単に言うと粉じんにさらされる労働者を保護するための法律です。
第一条 事業者は、粉じんにさらされる労働者の健康障害を防止するため、設備、作業工程又は作業方法の改善、作業環境の整備等必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第二十七条 事業者は、別表第三に掲げる作業(次項に規定する作業を除く。)に労働者を従事させる場合(第七条第一項各号又は第二項各号に該当する場合を除く。)にあつては、当該作業に従事する労働者に有効な呼吸用保護具(別表第三第五号に掲げる作業に労働者を従事させる場合にあつては、送気マスク又は空気呼吸器に限る。)を使用させなければならない。ただし、粉じんの発生源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の設置、粉じんの発生源を湿潤な状態に保つための設備の設置等の措置であつて、当該作業に係る粉じんの発散を防止するために有効なものを講じたときは、この限りでない。
畜産業では関係ないでしょ?
って思っていませんか??
畜産業で見過ごされがちな粉塵問題
牛に蹴られて靭帯断裂に鼻骨折。
角でやられて脳振盪。
そんな事故は今まで何度もある。
畜産は危険が伴う仕事だ。
その中で意外に見過ごされがちなのが粉塵。
乾草、オガクズ、籾殻、被毛等々、、畜産の現場にはたくさんの粉じんが舞っている。
僕の知っている方でも高齢になって肺気腫で亡くなられた方が数人いる。
畜産農家のじん肺症は他人事ではない。
畜産農家で肺気腫で亡くなる方って多い気がする。糞とか汚いものに目が行きがちだけど、それ以上に餌やオガなど粉塵の多い現場だものな。牧場勤めの方は粉塵対策とかされているのかな?僕はめんどくさくって何もつけてない。ちょっとマズイなと思った。 pic.twitter.com/N4jVGH5uUI
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) October 24, 2017
以前粉じん問題についてツイートした時、こんなコメントをいただいた。
印刷業で有機溶剤の労災(胆管癌)が相次いだように、個人経営や小規模事業者が中心の産業構造も労働安全衛生の周知や対策徹底が難しい大きな原因の一つ?畜産ならJAが果たす役割がもっとあるはずだと思う。造園業なんかも似た問題がありそう。
これ、まさにそうだと思った。
建設業界では安全講習会への出席や防塵マスクの装着を義務付ける現場が当たり前のようにある。しかし建築に比べ事業規模の小さい畜産業では粉じん被害への意識は低い。
畜産業はじん肺症のリスクが少ないのでは無く、ただ周知されていないだけだなと。
粉じん対策のオススメマスクは電動ファン付き呼吸用保護具
それでも「粉じんなんて大丈夫だろ。」って思う人は多い。
僕もそうだった。「息止めてりゃいいだろ。」って思っていた。
鼻をかめば真っ黒な鼻水なんて経験した農家や畜産従業員は多いんじゃないかな。
マスクなんて面倒くさいもん。
しかし、じん肺症には治療法がない。
防ぐしかないない中で軽視するような問題じゃないと思うようになった。
牛に蹴られて靭帯断裂に鼻骨折。角でやられて脳振盪。そんな事故は今まで何度もある。畜産は危険が伴う仕事だ。そんな中で意外に見過ごされがちなのが「粉塵」。乾草、オガクズ、籾殻、被毛等々。畜産農家は年取って肺気腫になる人が多い。めんどくさくてもマスクしたいね。めんどくさいけど。 #牛ネタ pic.twitter.com/lNWih2jxGY
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) December 1, 2018
もちろん専用の防塵マスクをして作業している方もいる。
ただまだまだ圧倒的に少数派だ。
マスクのレベルも色々。
統一された認識もない。
ちなみに僕が使っていたのは使い捨てのプロレーンマスク。
簡易マスクにしては性能が良く、医療の現場でも使われている優れもの。
このマスク、確かに良いんだけどそれでも隙間から粉じんは入ってくる。
防塵マスクの防護性能は、
- フィルタの捕集性能
- 面体と顔の密着性
この2つが合わさって決まる。
防塵マスクの細かい規定は興研のHPを読み込んでもらいたいんですが、要約すると最も安全な防塵マスクが電動ファン付き呼吸用保護具だということ。
フィルタの性能はもとより、隙間から粉じんを吸い込まないよう内蔵ファンによってマスク内を陽圧に保ってくれる最も防護性の高いマスク。
単純に細かい粉じんが多い畜産業で、僕は興研のBL1005を選んだ。
価格は約3万円。
畜産の塵肺対策として電動ファン付き呼吸用保護具を購入。KOKENのBL1005。業務用の防塵マスクだ。マスクの性能は元より内蔵ファンが面体内を陽圧にし粉塵の侵入を防ぐ。使い方も簡単。フィットしているかを確かめるチェッカーも内蔵。電圧低下まで知らせてくれる。いや、これもう必需品だろ。 #牛ネタ pic.twitter.com/wB4OgnQX9R
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) December 24, 2018
今まではマスクをしてても常に粉じんの「臭い」がしていた。
それが今や全くない。
業務用の防塵マスクは凄い。
この環境下で呼吸器に全く粉じんを感じないんだもの。
(どのくらいの粉じんが舞うのかは下記ツイートの動画を見て欲しい。)
畜産は建設業に比べ塵肺への認識が圧倒的に薄い。僕は今まで息を止めたり使い捨てマスクで対応した気になってた。でも必ず粉の匂いは感じてたんだよね。間違いなく吸ってた。このBL1005は息苦しさはもとより粉の匂いすらない。業務用の防塵マスクは凄い。塵肺に治療法は無い。自分の身は自分で守ろう。 pic.twitter.com/pEeftd9KwF
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) December 24, 2018
畜産業に粉じん対策は必須。
電動ファン付き呼吸用保護具でなくてもいい。
安価で国の規格に合格した防塵マスクもある。
ただね、使ってみて3万円を出すだけの価値はあるなって僕は思った。
骨が折れても靭帯が切れても時間が経てば治るがじん肺症は違う。
自分の身は自分で守ろう。
そんな講習を農業高校や農大ですればいいのにって思うんだよね。
防じんマスク、着けてますか?