最終更新日2019.11.21 19:51
枝肉相場、子牛相場が下がる中で僕ら畜産農家はどう動くべきか。(但馬牛11月子牛市)
11月13日に但馬家畜市場、19日は淡路家畜市場にて11月の但馬牛の子牛市場が開催されました。
さあ、#但馬家畜市場 11月子牛市。牛たちもやる気満々で走って向かってるよ!!(追われてるだけ)。出発ーーーーーー!! pic.twitter.com/DGO0ih5PkD
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) November 12, 2019
まずは今月の但馬と淡路市場の市況から。
但馬家畜市場11月子牛市
雌 151頭 最高1,694,000円 最低392,700円 平均912,403円 前年同期比149,482円安。 先月比56,781円安。
去勢 185頭 最高1,163,800円 最低408,100円 平均870,915円 前年同期比358,521円安。 先月比49,182円安。
総平均889,560円
淡路家畜市場11月子牛市
雌 154頭 最高1,516,900円 最低281,600円 平均806,079円 前年同期比171,198円安。 先月比49,819円安。
去勢 198頭 最高1,067,000円 最低364,100円 平均830,022円 前年同期比393,520円安。 先月比39,031円安。
総平均819,547円
下がり続ける子牛相場に右往左往しないこと
両市場去勢メスともに先月比、前年同期比はマイナス。
特に去勢の落ち込みは激しく、淡路家畜市場においては前年同期と比べて約40万円(32.2%)も下げる結果となった。
枝肉相場が下がってるから子牛相場が下げるのは当たり前のこと。
去年までが高すぎたのだ。
このまま年があけると更に子牛価格は下げると思っている。
確かに中国への輸出など、上げ要因もあるけどね。
それだって分からない。
オリンピック景気も万博も同じことだ。
【日本 牛肉20年ぶり対中輸出へ】https://t.co/n4Qj21MJAC
日中両政府が、日本産牛肉の対中輸出を再開する方向で最終調整していることが分かった。中国は日本での牛海綿状脳症(BSE)発生を受けて2001年から輸入を禁止しており、再開されれば約20年ぶりとなる。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) November 21, 2019
分からないというか、上がろうが下がろうが相場に依存しているという点では同じことだと思っている。
枝肉相場、子牛相場が下がる中で僕ら畜産農家はどう動くべきなのか。
以前高校生の子が「バブルのように値が落ちてきて、自分たちが経営する頃にはどうなっているのか。。。」と言っていたんだよね。
「今は増頭のタイミングじゃないよ」とも言われたことがある。
不安なら辞めたらいいとマジでそう思う。
僕も今年牛舎を建てて牛を増やしてるんだけどさ、「あと1年早かったら。。。」とか思ったことはない。もちろんお金が絡むから気持ちは相場に左右される。それはそれだ。人間だもの。
でも大切なのは、相場に関係なく、牛飼いで一生食べていくって覚悟。想いだろと思うんだよ。
いい時も悪い時もあるけど、どんな時も諦めず、しぶとく考えて動ける人だけが生き残るんだって、僕はずっと思ってる。
だから「儲かったら後継者が増える」とか、「安くなったら農家が減る」とか、正直意味がわかんない。やりたいからやるんだし、やりたくないならやめるんだろ。
相場なんて言い訳で本質じゃないのだ。
もちろん高いほうがいいし、儲からなきゃ続けられないんだけどね。
牛が高くなって一番良かったことは牛にとって出来ることがまだまだあると知れたことだ。子牛30万相場ではお金を使わないかしか手が無かった。苦しさからの知恵は付いたが経費削減による負の連鎖も散々経験した。牛の能力を阻害してるのは常に僕。いい格好じゃ無くね。お金があるから分かることもある。
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) November 21, 2019
お金があるから出来ることや分かることがある。
一方でお金がないから出来たことや分かったこともある。
結局は続けた人だけが残ることができる。
どんな世界でもそう。
そんな当たり前の話なんだと僕は思います。
根性論でゴメン。