田中一馬ブログ

子牛市場の需給バランスについて思うこと(令和3年1月子牛市)

令和3年の但馬牛子牛初競りが行われました。

(初競り動画はこちら👇)

では市況です。

但馬家畜市場1月子牛市

雌 161頭 最高1,653,300円 最低403,700円 平均794,057円 前年同期比4,842円安。 先月比143,622円安

去勢 237頭 最高994,400円 最低376,200円 平均691,654円 前年同期比41,860円安。先月比138,800円安

総平均 733,078
・前年同期比 30,613円安
・前回対比 138,621円安

淡路家畜市場1月子牛市

雌 162頭 最高1,542,200円 最低220,000円平均745,135円 前年同期比123,838円安。 先月比74,723円安

去勢 199頭 最高1,021,900円 最低323,400円 平均790,143円 前年同期比4,914円安。先月比18,212円安

総平均 813,399
・前年同期比 14,652
円高
・前回対比 4,924円高

子牛市場の需給バランス

批判を承知で言わせてもらうと、但馬家畜市場の去勢牛は正直安かったと思う。メスに関しても後半は明らかに値が下がっていた。

牛肉は年末需要が大きいので『枝肉の初競り』は下がるのが通例です。ただ今回はそれを踏まえた上でも、子牛価格が下がったという実感がありました。

別に「この値段でやっていけない!」って話じゃないよ。そんな繁殖農家などいないと思う。ただ、兵庫県以外の子牛市場は去勢子牛の平均が80万円を超えている。但馬家畜市場は69万円だ。

何が言いたいかといえば「但馬牛って本当に限られた顧客の中で成り立ってる品種だ」ってこと。

コロナ禍でも子牛価格は高かった。但馬牛の肉質への評価もあるとは思う。でもやっぱり相場は需要と供給のバランスなのです。

今回の但馬家畜市場はいつもより100頭多い上場頭数でした。たった100頭です。でもそれだけで従来の需給バランスが崩れた。求める人が少ない狭い市場なんだなって。そんなことが改めて明らかになった1月市だったと僕は思ってます。

ちなみに5日後の淡路家畜市場での去勢価格は但馬市場の10万円高。同じ兵庫県内の但馬牛でもここまで価格に差があった。勿論いろんな要因があると思う。ただ、単純にさ、枝肉相場云々って話だけじゃないってことなんだよ。(実際淡路家畜市場の直前の枝肉市場は、但馬家畜市場直前の枝肉市場より相場落ちてたんだよね。)子牛市場は微妙な頭数の需給バランスで成り立っている。

但馬牛は黒毛和種の中でも群を抜いて美味しい血統です。だからこそ子牛価格も枝肉の単価も高値で推移している。でもその最終の消費されている場所って、実はめちゃくちゃ少ないのだ。出口が狭い。

美味しいから子牛市場も全国トップレベル。そんなのは勘違いだ。

『松阪牛の中でも数%しかいない特産松阪牛。そこに拘る昔ながらの数人の農家さんが雌の価格を引き上げている』。

偏った見方かもしれない。でもこれもリアル。10年後、松阪の農家さんの世代交代によって但馬牛メス子牛の暴落なんて普通にあると思ってる。

だからこそ肉を売らなきゃいけないし、伝えなきゃいけない。自分は肉屋じゃないとかそんな話じゃない。供給過少の高値に甘えていたら但馬牛は無くなってしまうかもしれない。

そんなことを感じた初競りでした。

さあ、肉売るで。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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