最終更新日2019.7.26 21:32
牛肉の部位は4つに分けて考えよう!!
こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、ときどき削蹄師の田中一馬です。
牛の足を持ち上げて鎌で蹄を切る削蹄。
この仕事をしていると、必然的に腕の筋肉が付きます。
でもね、おなかはブヨブヨっすーーーーー!!!
写真ではひっこめちゃったけど、実は典型的なアラフォー腹。
だって、生活の中で、、腹筋なんて使わないもの。。。
同じように牛肉もいろいろな筋肉からなり、それぞれの場所で筋肉の特徴が異なります。
目次
牛肉の部位って多すぎだよね。。。
牛肉にはいろいろな部位があります。
①ネック、②うで、③クラシタ(肩ロース)、④リブロース、⑤サーロイン、⑥ヘレ(ヒレ)、⑦マエバラ、⑧ナカバラ、⑨ソトバラ、⑩カイノミ、⑪フランク、⑫ラム(ランプ&イチボ、)⑬マル(シンタマ)、⑭ウチヒラ(ウチモモ)、⑮ソトヒラ(ソトモモ)、⑯スネなどなど…
ざっと14~16部位に分割されて、牛肉は流通しています。
このひとつひとつを分割すれば、ミスジ、うわミスジ、クリ、肩ロース芯、ザブトン、リブ芯、マキ、エンピツ、カイノミ、フランク、ひうち、ネクタイ、はばき、千本スジなどなど、更にたくさんの部位と出会う事が出来ます。
しかも、同じ部位のブロックであっても、場所によって肉のキメや硬さ味が異なるんです…
うん、ほんと、、、、、
複雑すぎやーーー!!!!
牛肉複雑すぎやろーーー!!!!!
部位の多様化は大きな価値。
だけど、多すぎてわかりにくいっていうのも事実。
「ウデもモモも赤身なんだけど、そもそも違いがあるものなの?」
「トモサンカクとサンカクバラって一緒なの?」
「同じものなのに呼び方が色々あって混乱するんだけど。。。」etc
僕自身もそうでした。
今回はそんな方のために、超ザックリとお肉の部位の分類について書こうと思います。
お肉は4つに分けて考えよう。
たくさん分割できる牛肉ですが、ザックリと4つに分けると分かりやすい。
分け方は
前、上、下、後。
これだけっす!!
簡単でしょ。(食肉の教科書とは分類が異なります。)
前(香ばしみのある超個性派集団)
『前』は腕を中心とした牛の体の前方部位。
ネック、肩ロース、腕、スネなどよく動かす筋肉が中心の部位です。
様々な動きをする筋肉がたくさん集まっており、非常にバリエーションに富んだメンバーがそろう超個性派エリア。
硬い部分も多い【前】ですが、深く香ばしみのある味が特徴です。
4つの分類の中でも牛肉好きに一番オススメしたいエリアが『前』です!!
上(牛肉のセレブゾーン)
『上』は牛の背中の部分であまり動かすことのない筋肉です。
脂肪の質も良く、肉のキメも細かいのが特徴。
リブロース、サーロイン、ヘレといった柔らかく肉生地のいい部位は、まさに牛肉のセレブゾーン!!!
セレブゾーンなので、お値段ももちろんセレブです!!!!
下(ワイルドな荒野のバラゾーン)
『下』は牛のお腹の部分。
マエバラ、ナカバラ、外バラなど肋骨周辺のお肉を指しています。
牛肉の中では最も面積の広い部位ですが、肉生地も脂質も粗い。
面積の割に作物が取れない、まさに荒野ってかんじのバラゾーン。。。
だけどね、カレーや牛丼など、濃い味付けをする料理にはこの荒々しさが頼もしい。
そんな部位です。
単価も牛肉の中では安めとなっています。
後(肥沃な大地)
お尻から後ろ足にかけての部位。
ランプ、イチボ、しんたま、内平、外平、スネなど、最も肉量が取れる部位です。
牛肉国でもっとも肥沃な大地を持つのがこのモモ。
ボリュームありますよね!!!
迷ったらモモ行っとこうというくらい、安定感のある部位です。
セレブな『上』、個性派の集団の『前』、広大な荒野の『下』、そして肥沃な大地の『後』
この4国で牛肉は出来ています。
なんか地図みたいですよね。。。
そう、これ牛の地図なんです。
牛地図で傾向をつかんで深く入っていこう。
この牛の前上下後は、地図で言うところの東西南北って感じ。
ザックリとした場所の分類です。
北海道と沖縄と関西と関東で気候や文化が違うように、牛肉のパーツも前上下後で特徴があるんです。
例えばサシがびっくりするほど入るザブトンと、どんな牛であっても真っ赤なネック。
一見すれば全然違うお肉です。
全く違うお肉だけど、香ばしさとか同じエリアの気質はある。
部位で選ぶってのは地域で選ぶってこと。
その地域の特徴を感じながら、様々な違いを楽しむ。
【以前北海道に行った時、凄く楽しかった。
だからもう一度行って、今度はスキーしたりかにたべたり、また違ったことを体験したい!】
部位で選ぶってそんな感じだと思っています。
牛肉の部位は4つに分けて考えよう。
ザックリと方向を決めると、もっとお肉が楽しくなりますよ!!
よかったらこちらもどうぞ~。
過去ブログ→「牛肉を部位ごとで買う楽しみ方」