最終更新日2025.4.16 21:18
ビール飲んで日本酒飲んでハイボール飲みながら今ブログを書いている
久しぶりの削蹄だった。
と言っても家の牛の蹄は切るし、毎月地元農家さんの子牛のツメキリには行っている。
それでも現役だった頃に比べれば趣味かよってくらいの頭数だ。
衰えは隠せない。年齢もある。
ただ、受けるからにはプロでないといけない。言い訳なんてお客さんには一切関係ないし、信頼には結果で応えたい。
牛だって容赦してくれない。落ち目を見せると一瞬でやられちまう。
牛に対応できないならそこに人の居場所なんて無いのだ。
それが言葉の通じない牛との真剣勝負ってやつだと思う。
だからツメキリの時には、どれだけ体がツラくても脳内が切り替わる。
脳汁であるドーパミンとアドレナリンが一気に溢れ、時間の経つのも忘れてしまう。
蹴られて鼻の骨が折れたときも、膝の靱帯を切った時も、指飛ばした時も、痛えーなんて言いながら普通に削蹄が出来た。
きついけど無我夢中になってしまう。
それが僕にとっての削蹄なんだと思う。
そんな僕は子どもの頃ずっと動物と話がしたいと思っていた。
今は犬や猫の気持ちを読み取る機械もあるみたいだ。
でもそんなの鼻息で飛ばせるくらい、牛との会話を身体でしている気がするんだよね。
単独保定の削蹄は緊張感と探り合い。
会話より深い心理戦だって思ってる。
ってな感じで脳汁切れてどっと現実に引き戻された今。ビール飲んで日本酒飲んでハイボール飲みながらブログを書いている。これは味変ってやつやな。
疲れも倦怠感も昔とは全然違う。
酒飲んだら一瞬で回っちまう。
でもそれさえも感じられなくなる時も来るんよ。
だからこそ、若いころには無かったこの疲労感がめちゃ心地いい。
「もう無理やわ」って思うとこまで、ただただやれることが気持ちいいのかもなって。
日々変化する自分自身を見ながら思うんです。
久しぶりの削蹄!!引退したけどまだまだやれるで。 pic.twitter.com/sLqzuKwaGG
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) April 16, 2025