最終更新日2021.1.4 23:26
研げば切れるなんて勘違い
年末はバタバタしてて例年通り年始の道具研ぎ。
2021年研ぎ始め。そろそろ切ろうかな。 pic.twitter.com/7CWK3XhzHq
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) January 3, 2021
道具が切れなきゃ削蹄なんて出来ない。
ってこともないんだけど。。
200円の草刈鎌で牛の蹄は切れるのか?
切れる道具の方が安全で、正確で、素早くて、負担も少ないのは間違いない。
じゃあ「切れる道具」って何なんだろうか?
案外これに答えられる人は少ない気がする。
刃先を付けるのは当然。その上で「どう使いたいのか」ってイメージがあって、初めて刃物を研ぐスタートなんだと思ってる。
①用途からの研ぎ②運刀法に合わせた研ぎ。
この2パターンを組み合わせて実用的な刃物を作るには、しのぎの使い方が重要になる。しのぎをどう使うかが運刀であり、刃先からしのぎの研ぎ方で鎌も鉈も変わってくるのだ。
だから僕は鎌型蹄刀の砥石の負面はフラットを意識するし、鉈は湾曲した砥石を使う。
研げば切れるなんてただの勘違い。
「切れる刃物って何なんだろうか?」
もっと言えば
「どうすれば早く正確に楽に蹄が切れるんだろうか?」
逆に言えば
「なぜ自分の道具は切れないのか?」
その答えを1つでも2つでも3つでも見つけないと道具なんて上手く研げたりしない。
研ぎとは問題点を解決するための手法の一つだ。何時間砥石に刃物をこすりつけたところで砥石と鎌と時間の無駄。
「なぜあの人の鎌は良く切れるのか?」と、よく考えてみよう。