最終更新日2020.2.18 00:26
新型コロナウイルスの影響による枝肉市場の大暴落
何が起きたんだろう。。。
今日の神戸市場の枝肉相場がエグいほど安い。頭数も少ないし格付けも全体的に良くないけど、それにしても安い。110万で子牛買って2年飼育し売値75〜110万て。。明日の淡路子牛市も来月の但馬家畜市場も大幅下落は間違いないな。肥育農家も繁殖農家も。今年は厳しい一年になる。 #牛ネタ
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) February 17, 2020
2020.2.17 今日の神戸市場の枝肉相場がエグいほど安い。ここ数年で最も危機的な状況だ。
新型コロナウイルスの影響で枝肉相場はこの1ヶ月間下げ基調。中国人観光客の減少による影響の大きさに驚くとともに、予定されてた神戸ビーフの中国輸出やオリンピックなど多少の需要増への期待もあり、ギリギリのラインで枝相場は維持していたはずだった。
それなりのものを出せば儲かる時代から良いものを出さなきゃ「大損をする」時代。そんなシビアな市場ではあったが、品物によっては高単価がつくと言った細いながらも利益を出すための出口はあった。同じように子牛価格も安い牛は力一杯安く、高い牛はそれなりに高いと言った格差が大きく生まれる状況になっていた。
たとえ全員が利益を出せなくても、たとえ市場の下落により淘汰される人が出てくるとしても、上位の評価をもらえるものさえ作ることができれば生き残れる。そんな道は残されてはいた。
しかし今日の相場では神戸ビーフに認定されても平均で2,500円/kg。A5-10でも2,800円/kgだ。格付けが上位でも、枝重を乗せても、何をしても合わない計算になる。
確かに今日は頭数も少なく市場全体の格付けも良くはなかった。でもこれはそう言うレベルじゃない。現状では出口は見えない。
110万で子牛を買って2年飼育し経費もかけての枝肉の売値が75万〜110万。
肥育業は預託を使って素牛を購入するケースが殆どなので、出荷して清算時にお金が入ってくるどころか、さらにお金積んで素牛代と利息を払うと言うケースが今後どんどん出てくることになる。
当然子牛市場への影響も大きい。一貫経営や自分の店を持っている大手の牧場以外、子牛価格を下げるしか生き残る道は無い。人ごとのように書いてるように見えるかもしれないが、当然子牛価格がそのまま下がれば僕ら繁殖農家は食べていけなくなる。
予測なんてなんの意味もないが、1〜2ヶ月ではとても回復しないだろうとは思ってる。
肥育農家も繁殖農家も今年は厳しい一年になる。バブルなんてものはもう微塵もない。生き残れるかどうかの瀬戸際になると本気で思っています。