田中一馬ブログ

新型コロナウイルスの影響による枝肉市場の大暴落

何が起きたんだろう。。。

2020.2.17 今日の神戸市場の枝肉相場がエグいほど安い。ここ数年で最も危機的な状況だ。

新型コロナウイルスの影響で枝肉相場はこの1ヶ月間下げ基調。中国人観光客の減少による影響の大きさに驚くとともに、予定されてた神戸ビーフの中国輸出やオリンピックなど多少の需要増への期待もあり、ギリギリのラインで枝相場は維持していたはずだった。

それなりのものを出せば儲かる時代から良いものを出さなきゃ「大損をする」時代。そんなシビアな市場ではあったが、品物によっては高単価がつくと言った細いながらも利益を出すための出口はあった。同じように子牛価格も安い牛は力一杯安く、高い牛はそれなりに高いと言った格差が大きく生まれる状況になっていた。

たとえ全員が利益を出せなくても、たとえ市場の下落により淘汰される人が出てくるとしても、上位の評価をもらえるものさえ作ることができれば生き残れる。そんな道は残されてはいた。

しかし今日の相場では神戸ビーフに認定されても平均で2,500円/kg。A5-10でも2,800円/kgだ。格付けが上位でも、枝重を乗せても、何をしても合わない計算になる。

確かに今日は頭数も少なく市場全体の格付けも良くはなかった。でもこれはそう言うレベルじゃない。現状では出口は見えない。

110万で子牛を買って2年飼育し経費もかけての枝肉の売値が75万〜110万。

肥育業は預託を使って素牛を購入するケースが殆どなので、出荷して清算時にお金が入ってくるどころか、さらにお金積んで素牛代と利息を払うと言うケースが今後どんどん出てくることになる。

当然子牛市場への影響も大きい。一貫経営や自分の店を持っている大手の牧場以外、子牛価格を下げるしか生き残る道は無い。人ごとのように書いてるように見えるかもしれないが、当然子牛価格がそのまま下がれば僕ら繁殖農家は食べていけなくなる。

予測なんてなんの意味もないが、1〜2ヶ月ではとても回復しないだろうとは思ってる。

肥育農家も繁殖農家も今年は厳しい一年になる。バブルなんてものはもう微塵もない。生き残れるかどうかの瀬戸際になると本気で思っています。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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