最終更新日2019.11.6 21:59
飼い方や哲学はそれぞれでも、畜産農家の目指すものは同じ方向だ。
本日放牧場から全ての牛を下山させました。
いよいよ今年も放牧敬産牛肉のシーズンがスタートです!!
夕方、放牧場の牛さん達を下山させてきました。これで田中畜産今シーズンの放牧は終了です。牛さん達お疲れ様でした。放牧が終わるとお肉のシーズンが始まります。明日はいよいよ屠畜。毎回色んな気持ちが出て、そして緊張します。でもそれが良いって思います。 #放牧敬産牛肉 pic.twitter.com/I2TcmziVnk
— 田中あつみ 但馬牛飼い精肉店【田中畜産】 (@tanatiku) November 6, 2019
『放牧敬産牛肉』とは、但馬牛の母牛を屠畜前半年間、放牧だけで仕上げたお肉です。
一般的な肉牛とは真逆の飼い方。
12年前に生産を始めた頃は「絶対美味くないからやめとけ!」とか、屠場で「病畜か?」とか、よく言われた。まあ、痩せてたからね笑。
でも今は別に言われても気にしない。肉の味に自信もあるし、たくさんのお客さんが楽しみに待っててくれてる。それ以上の理由は必要無いのだ。そもそもそんなことを言われることがなくなった。
それは「一馬には何言っても仕方ない(苦笑)」ってのもあるとは思うけど笑、それ以前にこの世界にどっぷり浸かって生きているからだと思ってる。
仲間だから言われる事は言われる。でも信念を持ってやることには、意見は違えども言われない。そういうことだと思ってる。
畜産あるある、いや、農業あるあるかな。放牧や自然栽培といったキーワードは一部の消費者に異常なほどウケがいい。その一方では同業者にめちゃくちゃウケが悪く、お客さんはついてきても業界では孤立してるケースってマジで多いのだ。
意見の対立や思想の違いは当たり前。でも、孤立するって何かがズレているって思うんだ。手法の違いで分断なんてあり得ない。
飼い方や哲学はそれぞれでも、畜産農家の目指すものは同じ方向のはずだもの。美味しいって、買ってくれた人が笑顔で豊かな気持ちになってくれること。みんなはそこを目指してんだろって思ってる。
だから僕は別に放牧牛肉にこだわらない。
年明けには自分の思う但馬牛での理想肥育も出す。
少し牛の張りが柔らかくなり毛も枯れてきた。そろそろかな。でもまだ餌食うんだよ。。2016年10月25日生の35ヶ月半。丸福土井×照一土井の但馬牛去勢。多分枝重は350kg前後。小さい。でも肥えてる。これぞ肉牛だと思う。絶対美味いと思うんだよ。しっかり牛を見て最高のタイミングで決めたいな。 #久丸福 pic.twitter.com/WffE0De7WT
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) October 10, 2019
その上で但馬牛の放牧敬産牛肉にも自信と信念を持っている。
放牧場が気持ちよすぎる。ここで冬まで野放しの #放牧敬産牛肉 は、牛舎で35ヶ月じっくり肥育した #秋福悠 とは全く違う肉質だ。環境も餌も全然違うから当たり前。でもね、全く違う肉質ながらも但馬牛だからこその味がある。お肉は本当に面白い。そして但馬牛は本当美味い。 両方やって分かったこと。 pic.twitter.com/eM80zBvDNX
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) August 25, 2019
やればやるほど何にも矛盾していない。そう思うんだよね。
そんな今年の放牧敬産牛肉は「ふるさとの1」。1頭だけです。
本当はもっと出す予定だったんだけど、牛舎新築もあって、他の牛はもう少し繁殖牛として頑張ってもらうことにしました。
ふるさとの1は明日屠畜。
今日改めて牛を見て、これで良いと思った。
美味しいお肉になると思う。
楽しみにしててほしいな。
#ふるさとの1 を明後日屠畜することに決めました。12年間放牧の経産牛肉に取り組んできた。毎年たくさんの方から評価もいただく。それでも毎回この屠畜までの数日間は緊張する。それは理想肥育の牛とはまた違う緊張感なんだよね。販売は12月上旬予定です。楽しみにしてて下さいね。#放牧敬産牛肉 pic.twitter.com/jmVs9ostjw
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) November 5, 2019
ありがとうね。
屠畜を決めるのは全て僕なので、全部僕が背負います。フワフワしたありがとうや綺麗事もくだらない誹謗中傷も同列に要らない。生きてる時は牛に何ができるか、肉になったら食べてくれる人に何ができるか。それしか無い。向き合うってそう言うことだと思ってる。 pic.twitter.com/zTSqhtxnXm
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) November 6, 2019