田中一馬ブログ

秋福悠出荷します!!

明日牛を屠畜する。
『秋福悠』と言う名の肥育牛だ。

久丸福(左)と秋福悠(右)

僕は繁殖農家だから子牛を市場で販売するのが仕事です。
でも中には子牛市場に出せないような子もいる。

風邪をこじらせ肺炎になりかけた牛などは販売先で大成することはない。
移動のストレスが大きく重篤化し死んでしまうケースもあるのだ。

しかしそんな牛でも移動せず、生まれ育った牛舎で肥育すると、子牛はストレスもなくそのまま大きくなってくれることが多い。

そのため近年は繁殖農家でも肥育するケースが増えてきた。

繁殖農家が理想肥育をして感じたこと

秋福悠もそんな1頭だ。

牛を飼っていて救えない命はある。悔しいけどある。
たとえ救えても商品として子牛市に出せない子もいる。
生き物だから当たり前なのかもれない。

そんな子も我が家で肥育すると牛なりに育ってくれる事が多い。
もちろん逆もあるんだけどね。

見込みのない牛を早く楽にしてあげるべきって考えも分かる。
ただ僕は諦められないタイプ。
正解不正解って話ではなく、僕の性格の話です。

でもこうやって大きくなった牛を見て、やっぱそう思う。

よく頑張ったなって。
諦めなくてよかったって。

ぶっちゃけた話をすると、今回は枝肉市場で販売しようと考えていました。
でもやっぱ自分で切って直接届けることにした。
枝肉相場がいま少し下げているから、、、とかじゃなくね。

やりたいんだ。

自分が育てた理想肥育の但馬牛を、切って、食べて、届けて、喜んでもらいたい。

いつもそれだけ。

子牛の時に風邪を引いて市場に出せなかった秋福悠は、我が家で34ヶ月間一度も止まることなく餌を食べきってくれました。

いよいよ明日は屠畜。
来週からカットに入り、7月末に販売。
8月上旬にはお届けできるよう気合い入れて切りたいと思います!!

但馬牛ならではの霜降りの美味しさも楽しみにしてて下さいね。

ちょっと緊張してる。

いつものことだけどね笑。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として様々な農家の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛を中心に長期肥育や経産肥育、放牧牛肉の生産などをスタート。
好きなものは牛肉、漫画、純米酒、ウイスキー。ここ1年はサウナにドハマり中。

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