最終更新日2019.6.30 20:48
秋福悠出荷します!!
明日牛を屠畜する。
『秋福悠』と言う名の肥育牛だ。
僕は繁殖農家だから子牛を市場で販売するのが仕事です。
でも中には子牛市場に出せないような子もいる。
風邪をこじらせ肺炎になりかけた牛などは販売先で大成することはない。
移動のストレスが大きく重篤化し死んでしまうケースもあるのだ。
この春〜夏に屠畜予定の2頭。秋福悠(上)と久丸福(下)。放牧ではなく普通の肥育牛です。屠畜して格付けがA4-6以上なら神戸ビーフになる。どちらも子牛の頃に風邪をひいて市場に出さなかった牛。でもね、同じ環境で肥育すると素直に大きくなってくれる。放牧は手段。牛に合わせてが理念。 #牛ネタ pic.twitter.com/kTS5DZHK1m
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) March 8, 2019
しかしそんな牛でも移動せず、生まれ育った牛舎で肥育すると、子牛はストレスもなくそのまま大きくなってくれることが多い。
そのため近年は繁殖農家でも肥育するケースが増えてきた。
秋福悠もそんな1頭だ。
#秋福悠 号。31ヶ月齢。少し枯れてきたかな?芳悠土井×丸富土井だから肉牛にしては脚長だね笑。因みにお尻が見えてるのが #久丸福 29ヶ月齢。この2頭は放牧じゃない。王道の但馬牛の理想肥育。格付けで神戸ビーフとなります。秋福悠は7月上旬には販売できるようにしたいな。楽しみにしてて下さいね! pic.twitter.com/17JfjOTvlp
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) April 20, 2019
毎日最初に顔を見る牛。 31か月齢の秋福悠(左)と29か月齢の久丸福(右)。来月屠畜の予定だったけどもう少し置くことにした。屠畜時期の判断は人それぞれ。正解は分かんない。ただ牛飼いとして肉を扱う者として、牛を見て屠畜時期を決めたい。早くても遅くても。牛を見て自分で決めたい。 #牛ネタ pic.twitter.com/rJpv8UD62k
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) April 6, 2019
牛を飼っていて救えない命はある。悔しいけどある。
たとえ救えても商品として子牛市に出せない子もいる。
生き物だから当たり前なのかもれない。
そんな子も我が家で肥育すると牛なりに育ってくれる事が多い。
もちろん逆もあるんだけどね。
見込みのない牛を早く楽にしてあげるべきって考えも分かる。
ただ僕は諦められないタイプ。
正解不正解って話ではなく、僕の性格の話です。
でもこうやって大きくなった牛を見て、やっぱそう思う。
よく頑張ったなって。
諦めなくてよかったって。
ぶっちゃけた話をすると、今回は枝肉市場で販売しようと考えていました。
でもやっぱ自分で切って直接届けることにした。
枝肉相場がいま少し下げているから、、、とかじゃなくね。
やりたいんだ。
自分が育てた理想肥育の但馬牛を、切って、食べて、届けて、喜んでもらいたい。
いつもそれだけ。
子牛の時に風邪を引いて市場に出せなかった秋福悠は、我が家で34ヶ月間一度も止まることなく餌を食べきってくれました。
いよいよ明日は屠畜。
来週からカットに入り、7月末に販売。
8月上旬にはお届けできるよう気合い入れて切りたいと思います!!
但馬牛ならではの霜降りの美味しさも楽しみにしてて下さいね。
ちょっと緊張してる。
いつものことだけどね笑。