最終更新日2019.1.8 11:40
「田中畜産が目指す幸せって何ですか?」の質問を受けて考えたこと
こんばんは!
兵庫県で但馬牛の繁殖農家・精肉販売をしております、田中畜産のあつみです。
先日、とても素敵な方々が我が家に視察に来られました。
右端の方が、原川慎一郎さん。
東京のビストロ名店BEARDのオーナーシェフ。
左端の方が、ジェローム・ワーグさん。
アメリカは西海岸バークレーにあるオーガニックレストラン「Chez Panisse(シェ・パニーズ)」の総料理長を務めたお方。
原川さんは自分のお店を閉め、ジェロームさんは今年の1月でシェパニーズを辞め、二人でタッグを組み、地産地消や一次産業の重要性を伝えるプロジェクト「RichSoil&Co.」を立ち上げられるとのこと。
今は新しいチャレンジのため、日本各地の生産者さんを巡る旅をされている途中だそうです。
経歴だけを聞いても、ものすごいお二人・・・
そんな方達がなんでここ、但馬へいらしたかと言いますと、
14日に、お隣豊岡市で、料理人と生産者の関わり方、地元の食材の付加価値の作り方、それを発信する手段などのテーマに、お二人の講演会があったのです。
案内の写真。かっこいいですね〜♩
その講演を企画された方の紹介を受け、我が家にもお立ち寄り頂けることになったんです。
どのような人がいらしゃるのか全くわからないままお会いした私。
シェフのお話や、ナビゲーターさんのお話を聞いていくうちに
「すごい人たちじゃないか・・!」
と、やっとわかり出す始末(笑)
ですが、お二人とも立場とか地位とか、そんな姿勢は微塵もなく、主人や私の話を真剣に聞いてくださってました。
英語がわからないくせに、果敢に英単語でコミュニケーションを図ろうとする私(笑)
言語だけじゃなくて、伝える手段はいろいろありますよね^^
真剣に話していれば、それが相手にもちゃんと伝わりますし、ちゃんと聞いてくれます。
優しいですよね^^
牛舎を見て、牛さんが放牧されている山へ行き、その時に原川さんに聞かれたことがずっと頭に残っています。
「 田中さんは、これからどこへ向かおうとしていますか?
田中畜産が目指す 幸せ ってなんですか?
・・・ぼんやりとした言葉ですみません(^^;)」
それまでのお話からも感じていましたが、この一言で、お二人が大切にしたい価値観が全て伝わってくるような・・・
お料理や食材、食材が取り巻く環境、生産者、地域、それらに対してしっかりとした哲学を持っておられ、それを大切にしたいし、伝えていきたいんだな、
と確信しました。
料理人であり、アーティストのようでもあり、ものすごく魅力的な方々だなぁと感じたのでした。
私たちにとっての幸せって?
質問をされた時にも真剣に考えて答えましたが、改めて考えてみました。
私たちはどこへ向かい、何を幸せと考えるのか。
ビジョンというのでしょうか?
ものすごくぼんやりとしたものはあるような気もしますが、それを常に見ているという感じではない気がします(あくまで私は。主人は見据えてるかもしれません)。
「これやってみようかな?こうしたらもっと良くなるんじゃないかな?」
と思うことを取り組んで、壁が出てきて、またその問題に取り組んで、ふと振り返ると
「あぁ、こんな形になっていたのか〜」
というような。
牛肉販売にしても、自分たちで捌いてパック詰めして発送して、という姿は、始めた当初は全く考えてもいなかったです。
動いて、試行錯誤して、壁にぶつかって、それの積み重ねの先に、私たちが目指したいものがあるのかな?と思っています。
それと、幸せ。
今も結構幸せなのですが、
牛さんが健康で、ゆったりと過ごしてもらえること。
家族も笑顔で居られること。
お客様にも「うちから牛さん・お肉を買えて良かった」と思ってもらえること。
周りの方々と交流できてること。
牛さん、家族、お客様、周りの方々。
それぞれに思いをかけられたら、きっと幸せなんだと思います。
なかなかうまくいかないことが多いですが、それでもやっぱり、そこを目指したいな。
原川さん、ジェロームさん、それにナビゲーターの中原さん。
お会いできてとても嬉しかったです!
素晴らしいひと時をありがとうございました!!!