あつみブログ

お母さん牛の陣痛が来たら、産道に腕を入れて子牛を確認しよう

こんばんは!但馬牛の繁殖農家の田中畜産、田中あつみです。

今日は(も)削蹄のため出かけた主人。一泊二日で福井までです。
削蹄はいつも、兄弟子さんや甥弟子君達と一緒に行くのですが、何故か主人だけよく怪我をして帰ってきます…。
確か、福井でもどこか怪我をしていたような…。膝の靭帯を切ったんだっけかなぁ…。
頻繁に怪我をするので、どこで負ったものなのかを把握しきれていませんw
性格なんですかね~。
何にせよ、怪我なく事故なく無事に帰ってきてね!

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…て行きつけの酒屋に寄ってるしーーー?!
怪我なさそうなの良いけど、酒屋寄ってるよーーー?!

田中畜産、只今産室が満室です

6月は但馬家畜市場が無いため、子牛の出荷がない田中家。
そのため、子牛のお部屋はそこそこいっぱいになっています。
そこへ、6月中旬頃までにかけて、お産を控えたお母さん牛が何頭かいます。

これは…産室が足りないかも!?

と、主人が家を留守にする前に、お部屋を増設していってくれました。
子牛のお部屋を仕切って、育成牛(お母さん牛になるための雌牛。子牛よりは大きいですがまだお母さん牛ではない)をそこへ移動させたり。

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産室にいた親子を移動させ、出産予定日が近いお母さんをそのお部屋に入れたり。1103
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この子は6月12日が出産予定日。牛さんは予定日が大幅にずれて生まれることはあまりありません。
なので、この子もそろそろ出産です。

陣痛が来たら、腕を入れて子牛の向きを確認してみよう

我が家がお産の時に心掛けていることがあります。
それは、「お母さん牛の陣痛が来たら、産道(膣)に腕を入れて子牛の向きを確認する事」です。

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人間のお産の時も、助産師さんや産科医が産道に指を入れて、子宮口(赤ちゃんの出てくる所)の広さを確認してくれますよね。
出産前の検診では、エコーで赤ちゃんの向きや様子もしっかりと見てくれます。

牛さんの場合、妊娠中に胎児をエコーで見ることはありません。
(人工授精後、ちゃんと妊娠してくれたかの確認はエコーでします)
そのため、胎児がいまどのような状態なのか、向きはどうなのか、陣痛が来てお産が進んでいかないとわからないのです。

分からないって…とても怖いです。
だから、まずは産道に腕を入れて子牛を確認!もちろん消毒は忘れずに!

正常な場合、子牛はスーパーマンのように前足~頭の順に出てきます。
腕を入れたとき、最初に触れたのが前足なら少しホッ。産道の広さもあるようなら離れて様子を見守ります。
もし後ろ足、逆子でしたら…。急いで子牛を引っ張り出します。
後ろ足から出てしまうと、臍帯が切れた時にまだ顔が羊水の中。。溺れてしまうからです。
その他、難しい体位の場合や「何かおかしいな」という時は、すぐに獣医さんを呼びます。

農家さんが一番しなくてはいけないのは、牛さんの観察です

以前、尊敬する獣医さんから、こんなお話をしていただきました。

「農家さんが、なんでも一人でやろうとしなくていいんですよ。一番しなくちゃけないのは牛さんの観察です。観察して手に負えなかったら獣医さんを呼んだら良いんですから。
そのために僕たちがいるんですから。でも観察はそれぞれの農家さんじゃないと出来ないんですよ~。」

至極その通りだなぁと思いました。
この時は、子牛の治療についてのお話だったのですが、お産でも同じことが言えるよね、と。
観察・確認することで助かる命は確実にあります。

だから、お母さん牛の陣痛が来たら、産道に腕を入れて子牛を確認しよう

今も、お産がある時はドキドキします。
「絶対無事!」に生まれてくる命はないからです。
胎児の確認も、まだ怖いです。

それでも、確認することで助かる命は確実にありますし、確認しなかった時のリスクの方が大きいよね、と思うようになりました。
なので…レッツトライ!!

さぁ、今産室にいるお母さん牛は、いつ頃出産かな。
ソワソワしながら見守りたいと思います。

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書いている人

牛飼いの嫁 田中あつみ

1987年生まれ。宮城県登米市出身。
田中畜産の牛飼い&精肉担当。小さい頃から馬や牛といった大動物が好きで、岩手大学農業別科へ入学。勉強しながら岩手の牧場でアルバイトに励む。
たまたま牧場に視察に来ていた主人と知り合い、結婚することに。2007年兵庫へ移住。牛飼いになってから美味しい牛肉を頂く機会が増えて喜んでいる。
アニメと海とチョコ(Meiji)が大好き。マイペースなB型母ちゃん。

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