あつみブログ

私が畜産の世界に行こうと思ったきっかけになった本

こんばんは!兵庫県の但馬牛繁殖農家・精肉販売をしております、田中畜産あつみです。

残暑厳しい但馬ですが、前よりも涼しさも感じられるようになりました。
お盆を越してから、雨もちょこちょこ降るようになりましたし。

関東以北、特に北海道では台風の被害も大きいように聞いています。
被害に遭われた方々にはお見舞い申し上げるとともに、穏やかな日が一日でも早く訪れるのを祈っています。

私が畜産の世界に行きたいと思ったきっかけ

えー、ブログを書き出して間もないので、少し私の紹介をさせてください(^_^)

私は小さい頃から動物が好きで、将来は犬猫のお医者さん、つまり獣医さんになりたいな~と考えていました。
何故犬猫なのかと言いますと…。

それしか生き物を知らなかったからです!!!

…少し語弊があります。
猫は小さい頃から飼っていたので、私にとってとても身近な生き物でした。
犬は飼ってませんでしたが、猫がいる生活と似ているだろうという印象です。
そういったわけで、私の身近に感じられない生き物の存在がよくわからず、ましてや犬猫以外の生き物に携わる仕事も知りませんでした。

そんなある日、中学2,3年生の頃かな?この本と出合います。

ジェイムズ・ヘリオット著「動物物語」

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この本の著者、ジェイムズ・ヘリオットは、イギリスの獣医さんです。
そのヘリオット先生が、田舎ののどかな農場を診察で巡りながら、そこで出会った「家畜」と「農家さん」とのエピソードを綴っています。

牛、馬、豚、羊など、所謂「家畜」と呼ばれる動物たち。
今まで未知の存在だった家畜達の、なんと感情豊かなことか!
好奇心もあって、仲間思いでもあり、そして畜主への愛情もある。
農家さんも、家畜に愛情を持って接している。

今までは「畜産農家」のイメージがほとんどないながらも、「機械的な、効率的な」そんなお仕事なのかな?と漠然と思っていました。
いやいや、なんだか違うようだぞ…。
特にこの牛さんと畜主のお爺さんとのエピソードに胸を打たれました。

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おかえり、ブロッサム
もうなんか…タイトルだけですでに泣きそう。
昔からとても単純な私。
この本を読んで、
「畜産の勉強をしたい!!」
と思い、小動物系から大動物へとシフトチェンジします。

高校卒業後、岩手大学農業別科へ

大学受験も獣医を目指すも学力が足りず(笑)、どうしたものかと思っているところに、岩手大学に一年間畜産の勉強ができる科を発見し、無事に潜り込むことに成功。

そこは、生徒が取りたいカリキュラムをとって勉強できる、面白い科でした。
農場実習をメインに、繁殖学や草地学などを少し聴講させてもらいました。

IMG_010833346ジャージー種という乳牛農場と
IMG_010733346黒毛和種、短角種(肉用牛)の農場で実習。

いやー、ほんとに楽しかった!
自分がやりたい!と思っているものだけを勉強できるって、めちゃくちゃ楽しいです。
そこで出会った人たちも、皆さん牛好きで、素敵な人達でした。
平凡な言い方ですが、あの時の出会いが、今の私を作っています。

残念なことに、私が卒業してすぐに学科の再編が行われ、別科はなくなってしまったようです。
良い科だったのになぁ。。オロローーン(T_T)

あれから丸9年が経とうとしています。
ヘリオット先生の本を読んでからですと…15年近くでしょうか。
本を読んで最初の頃は、農家さんの心情を「こういうことかな?」となんとな~~く想像していました。
その後牛飼いとして生活をし、改めて本を読み返してみると、また違った感情が出てきます。
同じ「農家」でも、考え方が違ったり、時代背景や経験値も全く違うのでそれは当然なんですよね。
それでも、同じ「畜産農家」の土俵に立ち、立つからこそ感じられるもの。
それを自分のものに出来てきている手応えもあり、それがとてつもなく嬉しいのでした。

気になるお仕事の本、読んでみると人生が変わるかもしれません(*^_^*)

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書いている人

牛飼いの嫁 田中あつみ

1987年生まれ。宮城県登米市出身。
田中畜産の牛飼い&精肉担当。小さい頃から馬や牛といった大動物が好きで、岩手大学農業別科へ入学。勉強しながら岩手の牧場でアルバイトに励む。
たまたま牧場に視察に来ていた主人と知り合い、結婚することに。2007年兵庫へ移住。牛飼いになってから美味しい牛肉を頂く機会が増えて喜んでいる。
アニメと海とチョコ(Meiji)が大好き。マイペースなB型母ちゃん。

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