あつみブログ

お母さん牛と子牛の力が合わさるからお産ができる

こんばんは!
兵庫の但馬牛繁殖農家の田中畜産、田中あつみです。
一昨日ブログで「そろそろ出産するお母さん牛がいる」と投稿しましたが…。

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昨日の早朝、無事に子牛が生まれました~!

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「陣痛が来たら、産道に腕を入れて子牛を確認しよう」と書きましたからね!
また主人仕事でいないですけどね!書いたし!やらなくては!!

お母さん牛に陣痛が来ていることを確認し、ロープで保定してから産道に腕を入れ、子牛の状態を確認します。
前足触れます。頭、顔にも触れられます。産道も十分に開いています。

よしよし(^_^)お産は正常に進んでいます。
ひとまずその場を離れ、子供たちの登校準備をしに帰宅。

通学バス停まで送り出し、牛舎へ戻ると生まれたての子牛を発見!!
すでに立っていて、お母さんのお乳を飲みに行っていました。

は~…。良かった!!!
子牛の元気な姿を見て、お乳を飲む姿を見て、初めてホッとできます。
お母さん牛に子牛ちゃん、お疲れ様でした!

お母さん牛と子牛の力が合わさるからお産ができる

何度見てもお産は感動します。
その度に思うのは、「お産はお母さんと子牛の力が合わせられるからこそ成し遂げられる」という事。

子牛の「生まれても大丈夫!生きる!」という力と、お母さん牛の「産もう!」という力、その両方が無いとお産は進みません。
「腕を入れて確認!大事!」と書きましたが、人はあくまでも補助的な存在なんですよね。

私たちがいくら意気込んでも、子牛の「生きる力」がなければ生きられませんし、お母さん牛の「産んで育てる意志」がなくては元気な子牛は育てられません。
助産やミルクをあげたりはできますが、やっぱりお母さん牛には適いませんから。

親子牛の力を邪魔しないよう、それぞれの適切な距離感でサポートできるようになれたら良いなと思うのです。

IMG_8870 (1280x853)(この写真は別の親子です)

超余談。私が三人目を産んだ時のこと

陣痛が来た時の子牛確認。
この時、痛くないように、優しくそっと、を心がけています。
それは、私の妊娠~出産の経験から。

人の妊婦健診でも、エコーだけでなく子宮口や産道の状態を確認します。
その時、先生によっては「痛(*_*)」と感じることもしばしば…。
そのあたり、やっぱり女性の先生や助産師さんは上手です。
ちゃんと女性の体を知っている!て感じでホッとします。

でも、男性の先生はこれが普通なんだろうな。と、特に不満もなく検診を受けていました。

ところが!

三産目に担当していただいた産婦人科の先生は(男性でしたが)とても女性目線で診察して下さる先生でした。
検診も特に違和感なく、出産後の縫合も全然痛くないよ~。すごいよ先生!!

この時に、学術的な知識として知っているだけでなく、相手目線が入ると検診って変わるんだ!とすごく思いました。

なので、私もお母さん牛の出産の確認をするとき…
「こいつ、陣痛でさえ痛いのに、腕入れたら痛いがな!めっちゃ下手やな!」
と思われないように…!と意識するようになりました。

こういった女性的な視点も、きっと繁殖農家には役立つんじゃないかな?そうだったら嬉しいな(*^_^*)

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書いている人

牛飼いの嫁 田中あつみ

1987年生まれ。宮城県登米市出身。
田中畜産の牛飼い&精肉担当。小さい頃から馬や牛といった大動物が好きで、岩手大学農業別科へ入学。勉強しながら岩手の牧場でアルバイトに励む。
たまたま牧場に視察に来ていた主人と知り合い、結婚することに。2007年兵庫へ移住。牛飼いになってから美味しい牛肉を頂く機会が増えて喜んでいる。
アニメと海とチョコ(Meiji)が大好き。マイペースなB型母ちゃん。

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