最終更新日2019.1.8 11:40
「よしふくきく2」という牛さん
こんばんは。
兵庫県で但馬牛の繁殖農家・精肉販売をしております、田中畜産あつみです。
先日、産室に入れていたお母さん牛が、無事に出産しました〜!!
キュルルーーーーーーーン✨
生まれたての子牛って、とっても可愛いんです♪( ´θ`)ノ
ホワホワしていて、お目目もくりっとしていて、これぞ「守ってあげたい」存在!て姿です。
お母さんも子牛も、お疲れ様でした!!
このお母さん牛、「よしふくきく2」というお名前です。
餌台に足を乗せ、「早く餌くれ」アピール中。
この子は、特別思い入れのある子。
私が初めて、子牛市場で目利きから購買金額を決めるのも、購買ボタンを押すのも自分でして導入した子なんです。
お母さん牛として、新しい子を残すのには2種類方法がありまして、一つが「自家産」
自分とこの牧場で種付け〜出産〜育成し、そのまま出荷せず残す方法です。
もう一つが「市場導入」
子牛市場で、気に入った血統であったり姿の子を競り落とす方法です。
自家産ばかりですと、血統が似通ったものしか残らなくなるので、多様性という意味でも導入は大事です。
で、よしふくきく2は市場導入です。
市場につないでいる子牛をズラーーーッと見ていって、「あ、この子いいな」と思い、出荷されてる農家さんにお話を聞きます。
どんな感じの子でしたか〜?って感じで。
すると、親が○○の系統でとか、餌食いはどうだったよとか、丁寧に教えてくれます。
ちょうど、気心の知れた農家さんで、それもあってとても話しやすかったです。
その後主人に話すと
「じゃあ、金額も決めて自分でボタン押してみな」
ということで、その牛・市場の金額に見合ってると思しき金額を決め、競り場へ向かいました。
(あ、ある程度「この金額くらい」という相談をしてます)
ドキドキ!
初めてのことというのもありますが、何より金額!
何十万という単位でお金が動くので、「大丈夫か・・・?」と、ドキドキとワクワクが入り混じったような気持ち。
ブランドバックとかを買うなんかよりも高い金額ですから。
・・・・・ブランドバックを買ったことないのでよくわかんなかったです!
え?もしかして子牛よりもバッグの方が高いの・・・?
それはなんか。。。。気持ち的にいやっすー!
それから競りボタンをドキドキしたまま押して、競り落とせて、ドキドキ、ほっこりしたまま連れて帰ったのでした。
この写真は、牛の血統書の一部。
血統などの情報が載っていて、下の方に牛さんの所有者も記載されてます。
自家産だと「繁殖者」と「所有者」が同じ名前になります。
所有者のところは、大抵農場の代表者の名前なのですが、良い牛さんとかだと奥さんの名前にしたりします。
但馬では結構奥様名義の牛さんも見かけます。
よしふくきく2も、私の名前で登録してもらえました^ – ^
それが、と〜〜〜っても嬉しくて。
なんだか、一人前の牛飼いになれたような気がしました。
いや、技術とか諸々のことがまだまだなんですよ!ただ、気持ち的にね、ということで(笑)
一員になれた感じでしょうか。
この時の思いがあるから、やっぱりこの子は特別な存在です。
どの牛さんも大切ですが、よしふくきく2は特別。
いつか世代交代し、お別れする時が必ずやってきます。
それまでも、その時も、そのあとも。
今の気持ちを忘れたくないなって思います。
君も元気に育ってね!!!