最終更新日2019.9.22 18:11
ラクトアイスは危険なのか?カテゴリーは品質を保証するものではないってこと。
こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。
夏まっさかりっすねーーーーーーーー!!!!
こんなときにはアイスっす!!
ん。。。?
なんだよこれ!!
ラクトアイスやん!!!
な~んて思ってませんか?
ラクトアイスは安物でアイスクリームは高品質??
アイスを食べるときに後の表記を見るとアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスと色々あります。
値段とのバランスからなんとなく
ラクトアイス=安物
アイスクリーム=高品質
ってイメージを持つ方が意外と多いと思います。
ラクトアイスって第一原料が砂糖で、植物油脂、乳化剤なんかで作られている。
一方、アイスクリームは牛乳を使っている。
だからアイスクリームの方が本物で、ラクトはまがい物。。。
そんなふうに僕も思っていました。
確かにそういう一面もあります。
でも、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの分類は「牛乳をいかに使っているか」ってことではないんですね。
単にアイスの中の「乳固形分」や「乳脂肪分」の割合の違いで仕分けをしているだけなんです。
乳固形分が多い=牛乳をふんだんに使っている?
たとえばアイスクリームは乳固形分15%以上、アイスミスクは10%以上、ラクトアイスは3%以上と決められています。
一見乳固形分が多いほど牛乳の割合が多い気がしますよね!!
でも、生乳の乳固形分は12%。
実はアイスクリームって牛乳より乳固形分が多いんです。
アイスクリームを買った時に、原材料の最初がクリームで「あれ?生乳じゃないんだ。。。?」って思ったことないですか?
生クリームを入れたり、円心分離で水分を抜いたりすると乳固形分が増えてアイスクリームと表記出来るようになります。
こうすることでコクのあるアイスクリームができる。
ちなみに僕も大好きです。
シュークリームが好き。さらに言えばシューアイスはもっと好きです。最近はローソンのシューアイスにハマっている僕。クーラーの効いた部屋でコーヒーに映る真夏の空を見ながら、今日も牛と暑さに向き合う決意をしています。 pic.twitter.com/kR0GoqQoai
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) July 20, 2017
だけどアイスクリームだって色々。
クリーム入れすぎてただ甘いだけのものや、乳化剤が入っているアイスクリームもたくさんあります。
それが良い悪いなんてことは、各々が決めればいい話。
ただね。
ラクトアイスだから危険とか、そんな論調は乱暴すぎる。
ラクトアイスに生クリーム混ぜればアイスクリームにだってなることができる。
仕分けは仕分け、品質を保証するものではありません。
カテゴリーでは思いは見えない
このラクトアイスは僕の10年来の友人が島根県で作っているものです。
たまたま近所のスーパーで見つけました。
彼の牧場は365日放牧で、穀物を与えることなく牛乳を生産しています。
穀物を与えないグラスフェッドの牛乳は、草の水分が高いため夏場の乳脂肪率は下がります。
そのため、牛乳をメインにアイスを造ると「アイスクリーム」の基準には届かなくなる。
夏場だけ生クリームを添加して「アイスクリーム」で販売することも可能です。
でも、彼はそれをしない。
自分が良いと思う牛乳を一番おいしい形で届けたいから原材料もシンプルにしている。
だからこれは「ラクトアイス」です。
でも表記見たらこだわりが伝わるよね。
ラクトアイスもアイスミルクもアイスクリームも、全て商品を仕分けするためのカテゴリーです。
カテゴリーではその商品に対する思いは絶対に見えない。
農家の数だけ、商品の数だけ、それぞれにまったく別の思いがこめられています。
人が作っているものなんだから。
たった3つのカテゴリーでアイスを語るなんてもったいないな~って思うんです。
アイスだけじゃなくってお肉にしたってそう。
A5なんていう仕分けでそのお肉の何がわかるんだろうって思う。
商品の魅力はカテゴリーでは見えない。
だからこそ僕ら農家ももっと思いを発信していかないとね。
このラクトアイスはラクトアイスのイメージをぶった切る革命児だと思う。
但馬地域なら日高のスーパーガンピーにおいてるからね~。
おいしいよ!!!