田中一馬ブログ

枝肉も子牛も下落。「自分が経営する頃どうなるのでしょう?」って高校生に伝えたいこと。

神戸ビーフの枝肉価格が暴落している。

5等級でも3000円/kg行くかどうか。枝肉重量400キロと計算しても売値は120万円だ。
この肉牛の仕入れ価格は平均で約100万円。
そこから2年分のエサ代や人件費、利息や出荷手数料、、、下手すれば仕入れた子牛代にも満たないケースも出てきている。

それに合わせて子牛価格も緩やかに下落。
未だ高値とはいえども子牛バブルはもう終わりだろな。

大手食肉企業の繁殖参入や、繁殖農家の導入意欲の強さ、特産松阪牛需要、県内メス肥育農家の意地、子牛出荷頭数の減少。
様々な要因があって去勢ほど大きくメス相場が落ちることはないだろう。

でもそんなことは根拠があるように見えて実は何の根拠もない。
ただの予想だ。

ラグビーW杯と枝肉相場には何の関係もなかった。オリンピック需要も大阪万博もあてにはならない。
改めて市場は博打だと思う。市場に安定なんて絶対にない。

それでもこの世界で牛を飼い続けるのは【面白いから】なんだと思う。

先日子牛相場を見た一人の高校生から「自分たちが経営する頃にはどうなるのでしょうか、、、」って聞かれた。

ごめんね、僕はわからない。

牛だったら何でも100万円。
このバブル相場で帰ってきた後継者も多い。
それはそれで別にいいんだ。
ただそれが当たり前って怖いなとは思う。
別に「僕が畜産を始めた時はBSEの時でさ」とか、昔の話をする気はない。

今言いたいのは、相場が下落する中でもちゃんと儲けてる農家はいるってこと。

これってすごく大切なことだと思ってる。

僕は兵庫県の農家しか知らないけど、例えば肥育では肉屋をして売り先を持っているとか、繁殖部門があるとか、県外導入でリスク分散しているとか。繁殖だとクラスター(補助事業)の流れに乗って大規模化に踏み込むとか、親牛の更新率を早めるとか、施設に投資して牛の快適性を向上させるとか。
ちょっとした一例だけどね。そういう農家はこの相場でも強い。

誤解してほしくないけど、これらをしたら儲かるとかそんなことじゃない。
安易にやって失敗するケースだってある。

儲けてる農家はみんなリスクを負って挑戦し、自分が決めたことが形になるようにやりきってるって話です。

やってるんじゃなくてやりきってる。

相場なんて関係ないんだよ。
関係あるけどさ、関与できないんだからやっぱ関係ないんだよ。

【自分が決めて、決めたことを形にするまで努力する。】

相場を心配するくらいなら自分ができること探したほうがいい。
できないことはできない。
できることをやる。

そういう人が相場のいい時にしっかり儲けて、相場の悪い時に踏ん張れるんだと僕は思う。

僕は肉販売したりTシャツ販売したり削蹄したりSNSで発信したり講師したり演劇したりキノコ採ったりダイビングしたり、あれもこれもごちゃごちゃだけどさ、基本は繁殖農家なのだ。
強い子牛、事故ゼロ、繁殖率。
これが基本。
その上で僕らしく死ぬまで色々やろうと思う。

相場は色々。
それでもどんな相場でも
「高かったけど儲けさせてもらったわ」
そういう牛を自信持って出したい。

これで飯食ってんだもの。
マジでそう思うよ。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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