最終更新日2019.1.8 18:54
見えると分かるは違う!牛専用の目を手に入れよう。
こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。
先月末に牛にやられたムチウチ。
なんとかパソコンのキーボードが打てるようになってきました!!
でもまだまだ削蹄は無理、放牧場の電柵張りももう少し先になりそうです。
思い返せば2週間前の5月1日。
削蹄の帰り道に息が出来ないくらいの痛みが走り、運転も出来なくなりました。
パンツ1枚上げるのも子供に頼む生活。
少しでも気分を上げようと、Tシャツ、パンツ、スウェットパンツ、ソックスと、全身 #Keisukeokunoya でコーディネート。後ろ姿が寂しいけれど、上半身が動かないだけなんです。こう見えて気分は上々!!さあ、通院だ。 pic.twitter.com/BeWyPyTZDi
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 2, 2017
その痛みのまっただ中、僕は何故か、山にいました。
放牧場の状態を見に来るという名目で、
削蹄帰りに放牧場の草の生え具合を見にきました。うん、まだ全く生えてない。でもいいんだ。この景色が見れたから。ここは但馬が一望できる特等席。下に見えるゲレンデが牛たちの牧場となります。 pic.twitter.com/rAuenU1KSl
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 1, 2017
雪の残る山に上がった本当の目的は、
牧場見に行ったら雪残ってたよ!! ここは昨日、31.1℃と今年の最高気温を叩き出した兵庫県豊岡市です。但馬って広いんす。 pic.twitter.com/0cdvNgkAtc
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 1, 2017
山菜っす。。。
https://twitter.com/tanakakazuma/status/859221605100118016
いや、これネタじゃなくて至って真剣。
僕は山菜が大好きです。
ライフワークと言ってもいい。
15年前、就農してお金がなかった僕は、山に入って山菜を採っては食べていました。
コシアブラを炒めるだけでそれはもう立派なおかず。
生活と山菜が直結していた僕は、車を運転していても目的の山菜を見つけることができます。
実は僕、山菜の目を持っているんです。
専門の「目」を持とう
山菜の目とは、山に生える数ある植物の中から食べられるものを発見する「視点」の事。
山菜にピントが合うという表現がしっくりくるかも。。。
この山菜の目に切り替えるには「山菜を採るぞ!!」って言う意思が何より大切です。
なんとなく歩いていても、情報がたくさんありすぎて目的の物は見えてこない。
これって牛飼いでも同じです。
ただ漫然と牛舎を歩いていても、どれだけ長時間牛舎にいても、牛の変化には気が付けません。
調子の悪い牛はいないか、発情している牛はいないか等々、目的を持つことで牛飼い専用の目は作ることが出来ます。
そしてこの目の精度が牛の出来を決める。
牛の変化には気がつける人と気がつけない人の違いは、見ている視点の違いです。
言い換えれば意識と知識の差。
だから僕らは「目」をとても大切にしています。
目は重要な技術です。
例えばこの映像。
見るからに元気な子牛ですが、40度の熱がありました。
意識するからこそ読み取れる情報ってたくさんあります。
子牛から2mの距離での撮影。一見元気で大人しい子牛に見えますが、よく見るとたくさんの情報を読み取る事ができます。「順調に発育してるけど少し熱がありそう。」とか「めちゃめちゃ警戒してるな。」とかね。耳の立て方や足の運び方から緊張感を、一瞬下がった右耳から発熱を予測します。 #牛ネタ pic.twitter.com/Yu9jmy5bDY
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 12, 2017
この専門の目を身につけるには2つの条件が必要です。
①何を知りたいのか意識する事
そして、
②正しい知識を持つこと
どちらが欠けても正しい姿は見えてこない。
人の目はたくさんの物を認識しています。
何気なく見ているだけでは気が付かないことの方が圧倒的に多い。
専門の目は意識するとこから。
どんなことでも一つ意識するだけで、見えてくるものがグッと変わる。
僕はもっともっとディープな牛の世界を覗ける目を作っていきたい。
そう思ってしまうほど、牛の世界は深くて広くて面白いんです。