田中一馬ブログ

見えると分かるは違う!牛専用の目を手に入れよう。

こんにちは。

但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。

先月末に牛にやられたムチウチ。

なんとかパソコンのキーボードが打てるようになってきました!!

でもまだまだ削蹄は無理、放牧場の電柵張りももう少し先になりそうです。

思い返せば2週間前の5月1日。

削蹄の帰り道に息が出来ないくらいの痛みが走り、運転も出来なくなりました。

パンツ1枚上げるのも子供に頼む生活。

 

その痛みのまっただ中、僕は何故か、山にいました。

実は息するのもつらかった。。。

 

放牧場の状態を見に来るという名目で、

 

雪の残る山に上がった本当の目的は、

 

山菜っす。。。

いや、これネタじゃなくて至って真剣。

僕は山菜が大好きです。

ライフワークと言ってもいい。

秋にはキノコとかね。

15年前、就農してお金がなかった僕は、山に入って山菜を採っては食べていました。

コシアブラを炒めるだけでそれはもう立派なおかず。

生活と山菜が直結していた僕は、車を運転していても目的の山菜を見つけることができます。

実は僕、山菜の目を持っているんです。

専門の「目」を持とう

山菜の目とは、山に生える数ある植物の中から食べられるものを発見する「視点」の事。

山菜にピントが合うという表現がしっくりくるかも。。。

この山菜の目に切り替えるには「山菜を採るぞ!!」って言う意思が何より大切です。

なんとなく歩いていても、情報がたくさんありすぎて目的の物は見えてこない。

これって牛飼いでも同じです。

ただ漫然と牛舎を歩いていても、どれだけ長時間牛舎にいても、牛の変化には気が付けません。

調子の悪い牛はいないか、発情している牛はいないか等々、目的を持つことで牛飼い専用の目は作ることが出来ます。

そしてこの目の精度が牛の出来を決める。

牛の変化には気がつける人と気がつけない人の違いは、見ている視点の違いです。

言い換えれば意識と知識の差。

だから僕らは「目」をとても大切にしています。

目は重要な技術です。

例えばこの映像。

見るからに元気な子牛ですが、40度の熱がありました。

意識するからこそ読み取れる情報ってたくさんあります。

この専門の目を身につけるには2つの条件が必要です。

①何を知りたいのか意識する事

そして、

②正しい知識を持つこと

どちらが欠けても正しい姿は見えてこない。

人の目はたくさんの物を認識しています。

何気なく見ているだけでは気が付かないことの方が圧倒的に多い。

専門の目は意識するとこから。

どんなことでも一つ意識するだけで、見えてくるものがグッと変わる。

僕はもっともっとディープな牛の世界を覗ける目を作っていきたい。

そう思ってしまうほど、牛の世界は深くて広くて面白いんです。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として様々な農家の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛を中心に長期肥育や経産肥育、放牧牛肉の生産などをスタート。
好きなものは牛肉、漫画、純米酒、ウイスキー。ここ1年はサウナにドハマり中。

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