最終更新日2019.1.8 16:20
牛の蹄は開くのが自然なの?
こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、ときどき削蹄師の田中一馬です。
今日は久しぶりの削蹄シリーズ。
牛の蹄は開くのが自然なの?
先日、ブログのコメント欄に質問を頂きました。
せり前に子牛の削蹄をしてから子牛が立ってる時に内蹄と外蹄が左右にパカって広げて立つようになってしまいました。
前後とも広げて立ってるのですが特に前脚が広がるようになりました。
削蹄前は問題ありませんでした。
普通牛が立ってる時は閉じてますよね。
せり場で他の牛を見て回ったのですが、たまに開き気味の牛はいますが、パカって開いてるのはいませんでした。
削蹄の時に真っ直ぐ切らなくて前後を斜めに切ってしまったのか?
前側だけ、後ろ側だけ切り過ぎたらそうなるのか?
自分では何が悪かったのかわかりませんでした。
変な質問ですが、もしわかる事があればアドバイスいただけないでしょうか?
どうかよろしくお願いします。
実はこれ、よくあります。
蹄が開くのは負面がフラットになっていないからです。
牛の蹄は2つに分かれています。
内外蹄がアンバランスだと、片側に負重がかかるため蹄は開きません。
同じように放牧場で自然に摩耗した蹄も開くことはありません。
自然な状態の蹄も、不自然な状態の蹄も、基本的にはパカッと開きません。
ただ、ある切り方をすると蹄は開いてチョキのようになります。
蹄がパカッと開く状態は、負面が内傾斜になっているケースが非常に多いんです。
負面がフラットだと、体重は地面に垂直に伝わります。
逆に蹄が傾斜していると、体重は横に分散して蹄は開きます。
フラットで大切なのは蹄先の三角形
蹄はフラットが基本です。
その際に最も大切なのが蹄先の三角形。
牛の蹄で一番体重がかかるのがこの蹄の先なんです。
僕は昔、蹄は接地時に開くことが内外蹄に体重が均等にかかっている=適切な負面が作れているといった認識をしていました。
それって半分は正解です。
アンバランスな蹄は開きませんから。
(※牛が足を上げた際には、どんな蹄でも隙間が少し開きます。負面がフラットであっても、少し開いた状態で着地するため接地時には少し蹄は開いた状態です。)
ただ、体重を乗せるとと蹄がパカパカと開くというのは均等に体重が逃げているという事なんです。
特に以下のケースにおいて開いた蹄をよく見かけます。
②支えとなる軸側の蹄壁を落としている。
ぜひこの二点を意識してみて削蹄してみてくださいね!!
力が伝わる歩き方になりますよ!!!