最終更新日2019.8.14 13:09
牛の種類って色々あるんです。
こんにちは。
但馬牛の原産地兵庫県美方郡で但馬牛繁殖牧場を営む田中一馬です。
ここは僕の使う放牧場から見た風景。
但馬ってすごく自然豊かなところでしょ~。
下には国道9号線と子供が通う射添小学校が見えます。
日本の和牛のルーツでもある但馬牛。
しかし、その原産地である但馬地域でも牛を見たことがない方がたくさんおられます。
中には「但馬牛って牛乳を搾ってるの?」と聞いてくる人も。。。
目次
牛の品種っていろいろあるんです。
柴犬、ブルドック、シェパード、ラブラドール、チワワ、ミニチュアダックスフンド。。。
犬と言ってもたくさんの品種がいますよね。
牛も同じ、世界中に100種類近くの牛がいます。
僕の出会ってきた牛たち↓↓↓ちょこっとだけ見てみて!!
こうやって見るといろんな牛がいておもしろいでしょ!!
世界には角が1m以上ある牛や、ラクダのようにコブのある牛、毛がもふもふだったり、顔が見えないくらい毛の長い牛、黒かったり白かったり茶色だったり、大きかったり小さかったり、本当にいろんな牛がいます。
いつか世界中の牛を見て、食べて、削蹄したい。
僕にはそんな夢があります。
目的によって牛は分けられる
家畜として飼われている牛には様々な役目があります。
昔の日本では田んぼや畑を耕したり荷物の運搬をする役用牛としての役目がありました。
現在は大きく2つの目的で牛は分けられています。
一つ目が牛乳を生産するために改良された乳専用種。
二つ目が牛肉を生産するために改良された肉専用種。
それぞれどんな牛なのか見ていきましょう!!
乳用種ってこんな牛
日本で飼われている乳用種にはこんな牛がいます。
すべて海外が原産地の牛たちです。
ホルスタイン種
白黒模様がおなじみの日本で最も飼育されている乳用種です。
とってもたくさんの牛乳を生産する品種です。
ジャージー種
体格は小さく、乳脂肪率が高いのが特徴です。
子牛の時は可愛いのに大人になると微妙な顔に。。。
ブラウンスイス種
非常に大柄骨太で、骨格のしっかりした牛。
力が強く放牧に適した品種です。
可愛い顔をしていますが、大人になったら結構やる子です。。。
※乳用種であっても雄牛は乳を出さないため肉牛として飼育されます。
肉用種ってこんな牛~世界編~
肉専用種には海外が原産地の牛と、日本が原産地の「和牛」がいます。
ヘレフォード種
世界3大肉用牛のひとつです。
肉質は荒く大味。
人が乗っても知らん顔。
アバディーンアンガス
真っ黒の肉用牛。
こちらも世界3大肉用牛。
スーパーで販売されている輸入牛肉(オージービーフ)はだいたいこの子です。
ヘレフォードに比べると肉質は良く、日本人好みの味です。
オーストラリア産のwagyuのほとんどがこのアンガスと和牛を交配させたものと言われています。
肉用種ってこんな牛~和牛編~
日本が原産の和牛。
昔から日本で飼われていた在来牛に改良を重ねた牛が和牛です。
和牛には4つの品種があります。
①黒毛和種
②褐毛和種
③日本短角種
④無角和種
黒毛和種
サシが良く入ることから黒毛和種=霜降りというイメージがありますが、他の和牛に比べて脂の質や赤身の質が良いのが特徴です。
まさに和牛をけん引する存在。
但馬牛はこの黒毛和種の中の血統集団で、兵庫県の但馬地域が原産地の牛です。
現在の黒毛和種の99.9%には但馬牛の血が入っており、但馬牛=黒毛和種のルーツであるとも言えます。
個人的に牛の中で一番美牛なのが黒毛和種だと思っています。
褐毛和種
高知と熊本で作られた品種。(同じ褐毛和種というくくりですが、高知と熊本では全く別の品種なんです。)
黒毛和種に近い肉質ですが、特に赤身のおいしさに定評があります。
和牛の中では断トツの可愛さを持つ牛です。
日本短角種
非常に放牧に適した品種で、乳牛のような乳房をしています。
親子放牧でも子牛が丸々と太るくらい。
岩手で放牧している短角を見たときはその肉付きに感動しました。
肉質は黒毛や褐毛よりも、ホルスタインに近い感じがしています。
蹄も黒毛和種よりホルスタインの質感に似ています。
無角和種
山口県で保存目的で飼育されており、今や一般農家で飼育されている方は皆無。
見た目は黒毛和種に似ていますが角が無く、体格は黒毛和種よりも大きいのが特徴。
肉質は。。。食べたことないので分かりません。。。
以上4品種と、その4品種同士を掛け合わせた牛(黒毛×日本短角とか)を和牛と呼びます。
和牛と言っても全く別々の牛なんです。
日本の在来牛を改良してできた各品種をまとめて「和牛」と呼んでいます。
品種=特徴
牛って色々あって面白いですよね!!
品種というのはそれぞれ目的を持って改良されてきた形です。
それぞれの品種に美点欠点があります。
僕ら畜産農家は欠点を見つけて改良していくことも大切な仕事。
でもね、お肉を食べるときや牛乳を飲むときは、それぞれの牛のいいところを見つけていきたいなって思うんですよね。
今は日本にいても色々な品種の牛のお肉を食べることができます。
「この牛はどんな牛なのかな~?」って考えながらお肉を食べてみませんか?
牛を知ることでお肉の楽しさがグッと深まりますよ~!!
いろんな牛がいるからこそ、自分好みの牛肉を探すのも楽しいですね!!!