最終更新日2019.1.8 16:21
削蹄鎌の研ぎ方②
削蹄鎌の研ぎ方。
第2回は鎌の形です。
削蹄鎌には両刃と片刃があると前回書きました。
包丁でも両刃片刃ありますよね。
削蹄鎌の場合は刃が両面にあるないだけでなく、鎌自体の形が違います。
まずは鎌の表と裏を見てみましょう。
どちらも新品でまだ研いでいません。
両刃(表)
両刃(裏) まあ、両刃に表も裏もないけどね。
片刃(表)
片刃(裏)
パッと見た感じで違いますよね。
両刃は両面に刃をつけるように研ぎます。
片刃は表面に刃を付け、裏面は表を研いだ時の返りを取るくらい。
そのあと仕上げ砥石で表裏全体の滑りがよくなるように研いでいきます。
前から見ると各鎌の特徴がよくわかると思うのですが、片刃は反っています。(反っていないのもあります。)
この形状から使う砥石の形も変わってきます。
さらに角度を変えると鎌の違いがよくわかります。
全然違うでしょ!!
片刃(左)は柄に水平に鎌を回せば平坦な負面ができますが、両刃(右)は柄の真ん中に刃があるため柄に水平では柄が邪魔して蹄は切れません。
その為、両刃は柄の角度をつけて刃を蹄に食い込ませる必要があります。
グッと刃をくいこませ、鎌を回して蹄を切るのですが、そのまま力を入れるだけでは鎌は抵抗が大きく止まります。
そこで無理して切ると蹄に食い込みすぎて牛は怪我をしていまいます。
最初に喰い込ませ、最後は逃がすのが両刃の使い方。
研ぎ方の基本は刃の進行方向を考える事から始まります。
(つづく)