田中一馬ブログ

牛の分娩兆候は尾根部チェックが確実です。

「う、生まれそうかも!!」

そう言って自分で病院に行った妻。

お産の兆候って側にいても分からないものですね。

ましてや言葉の通じない牛の出産。

なおさら分かるわけがない。。。

って、思ってませんか?

牛の分娩時期の予測法

牛の分娩時期を知る上で最もわかりやすいものが「陣痛」です。

バタバタと足踏みをしながら、しきりに尻尾をあげて左右に振るしぐさ。

遠目から見ても一目瞭然。

ここから1時間もせずに出産は始まります。

24時間牛舎にいるなら問題はないけど、四六時中牛の前に張り付いているわけじゃない。

せめて半日前くらいにはお産の兆候を掴んでおきたい。

そのためには押さえるべきポイントが2つあるんです。

①乳の色の変化

②骨盤靭帯の緩み方

では早速見ていきましょう。

①乳の色の変化

牛乳って最初から白くはない。

生まれる1日前までは粘りのある飴色をした乳が出てきます。

この乳が真っ白になり勢いよくビュッと出るようになれば6時間以内には出産です。

シンプルでしょ。

ただ、子牛の免疫獲得に重要な初乳を出産前に何度も搾るというのはあまり良い事とは思わない。

さらに乳の変化は急激に起こるため、もう少し前もって兆候を知っておきたい。

あくまで最終確認用としての方法です。

②骨盤靭帯の緩み方

僕がオススメしているのが骨盤靭帯の緩みを見る方法。

こちらは出産半日前の牛のお尻。

骨盤が広がってくることで尾根部に大きな凹みができているのがわかります。

骨盤靭帯はココ。

こんなふうに触って靭帯の緩みを確認します。

普段は尾の付け根から坐骨まで、かっちりと締まっていて指の入る隙間もない。

それが分娩前になると少しづつ緩んでくるわけです。

指が靭帯に触れられなくなったらお産直前。

ここから12時間以内に分娩は始まります。

乳や陣痛と違い靭帯の緩みは徐々に進むため、経過が見えやすいのが特徴。

陣痛がきているのに全然緩んでいない時は、産道が狭く難産予測の判断材料にもなります。

少し難しそうに見えるかもだけど、やってみるとすごく簡単。

予定日2週間前から毎日尾根部を触り続ける事が分娩予測のトレーニングになる。

そんなことをツイートしたら、早速試してくれた方がいました。

このスピード感が凄いね。

簡単だからお試しあれ。

一度覚えれば一生もんになりますよ。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として様々な農家の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛を中心に長期肥育や経産肥育、放牧牛肉の生産などをスタート。
好きなものは牛肉、漫画、純米酒、ウイスキー。ここ1年はサウナにドハマり中。

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