あつみブログ

「牛飼いが私の仕事」「牛飼いが好き」と思えるようになるまで③(完結編)

 

こんばんは!

兵庫県の但馬牛繁殖農家の田中畜産あつみです。

 

今日は、

「牛飼いが私の仕事」「牛飼いが好き」と思えるようになるまでシリーズを完結させたいと思います。

 

 

今まで反発していた主人の言葉を素直に聞けた

 

牛舎の牛さん達の体調も良くなり、主人の鬱も寛解(鬱だと「完治」とは言わないそうです)し、私も出産・子育てに落ち着きが出て、お互いに牛舎仕事が出来るようになった頃。

 

少しずつ意欲も湧いてきて、子牛市や品評会なども楽しく参加できるようになりました。

そこで見る牛さんたちがどれも良く見えて、牛舎に帰ってから主人に

 

「うちも良い牛さん作りたいね〜」

 

と、何気なく話していたんです。

すると主人が

 

「今の家だったら、圧倒的に牛舎にいる時間も少ないし、○○とか△△とか、出来てないとこ多すぎる。今のままだったら出来へんで。」

 

と言ったんですね。

せっかく意欲的になってんのに、水を差すようなことを主人はよく言います(笑)

感情型の私、理系脳の主人。真反対でなかなかバランスが取れている田中家夫婦です。

 

で、以前の私だったら

 

「削蹄とかで牛舎にいないこと多いくせに、偉そうに言ってさ!フン!!」

 

と、すごい逆ギレして反発していたんですよね。

でもこの時は、

 

「そうだよね。まずはこれらをしっかりやってこそだよね!」

 

とても素直に、主人の言葉を受け止められたのです。

「良い牛さんが作りたい!」という意欲が、ムクムクと湧いてきたのです。

 

 

逃げずに牛飼いに向き合った時期があったから

 

数年前の、子牛の事故が多発して、主人の鬱が重なった時期。

体調の悪い牛さんばかりで、牛舎に行くのがしんどくて、とても怖かったです。

 

それでも、そこで逃げずに牛飼いに向き合えたから、今、牛飼いが好きになったんだと思うんです。

 

もしかしたら、あの時、別の仕事に就くといった選択肢もあったかもしれません。

もう嫌だ。牛飼いはしないって選択肢。

それも、不正解ではないと思います。

 

でも、逃げ出さなくて良かった。

牛飼いが好きになれて良かった。

牛さんが好きって思える私になれて本当に良かった。

 

2〜3年前の主人との会話で初めて、

「私の仕事は牛飼いだ」

と実感し、ストンと腑に落ちたんです。

 

全部、繋がっている

 

ヘリオット先生の本に出会い、牛さんが好きになった学生時代。

大学やアルバイト先の牧場で実習するのも、ただただ楽しかった。責任感も特に背負う必要がなかったからかもしれません。

とりあえず牛だったらなんでも好き!なその頃よりも、今の方が確実に牛さん・牛飼いが好きだと言えます。

 

でも、その当時の「やんわり、甘々牛が好き」な気持ちを否定しているわけではありません。

 

本で牛さんを好きになって、大学で勉強して牛さんがとにかく好きになって楽しくて、結婚してから牛飼いが嫌いになって、逃げて、向き合って、また逃げて向き合って。

 

その全てが今に繋がっている。

 

この全部があったから、今「牛飼いが私の仕事」と実感出来るんだと思います。

 

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「牛さんは、売って終わりではなく、その先に誰か食べてくれる人がいて、その人の力になってくれる」
というのも感じられるようになり、前は罪悪感もあった

お肉にすること。命をいただくこと。

にも、意味を見出せるようになりました。

 

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子牛市や品評会などで、先輩農家さんから教えていただける牛話も、すごく楽しみになっています。

 

 

できない自分に落ち込んだり、「今日は牛舎行きたくないなぁ」と思うことも度々あります。

でも今は、

「それでも牛飼い好きだよ」

と言えます。

それがとても嬉しく思うのでした。

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書いている人

牛飼いの嫁 田中あつみ(モー子)

1987年生まれ。宮城県登米市出身。
田中畜産の牛飼い&精肉担当。小さい頃から馬や牛といった大動物が好きで、岩手大学農業別科へ入学。勉強しながら岩手の牧場でアルバイトに励む。
たまたま牧場に視察に来ていた主人と知り合い、結婚することに。2007年兵庫へ移住。牛飼いになってから美味しい牛肉を頂く機会が増えて喜んでいる。
アニメと海とチョコ(Meiji)が大好き。マイペースなB型母ちゃん。

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