最終更新日2019.1.8 11:39
「牛飼いが私の仕事」「牛飼いが好き」と思えるようになるまで①
こんばんは!兵庫県の但馬牛繁殖農家の田中畜産あつみです。
昨日の香美町子牛品評会、参加賞の結果を受けまして・・・。
牛さんを見る力の足らなさに、少し残念な気持ちもありました。
それでも、毎日牛さんと向き合うことでしか、牛を見られるようにはなりません。
いきなり見られるようになるわけではありません。
であれば、今私が出来ること・目の前にあることをコツコツとやっていき、目指す牛飼い像に近づけたら良いな!と思います。
まずは、近くに迫った牛市に出荷する子牛たちのお手入れを!
と、今現在、牛飼いに前向きに取り組むぞ!という気持ちが強い私ですが・・・・
最初からこうだった訳では全くありません!
では、いつ、何をきっかけにどのように変わっていったのか?
牛飼いの仕事を前向きに取り組もうとしだしたのか?
それを何回かに分けて書いていけたらと思います。
「私は畜産の勉強をしてきたし、だからきっと牛飼いの仕事もこなせるよね」という甘い考え
中学生頃から家畜が好きになっていった私。
高校卒業後、畜産の勉強をするため、一年間大学で勉強をしながら牧場・直営店でアルバイトをしていました。
そこで主人と知り合い、結婚。
それから牛飼い生活が始まります。
結婚して間もない頃。私も主人も若いよね。
大学での勉強も、アルバイトさせていただいてた牧場での出来事も、どれを取っても楽しいものばかりでした。
だから、牛飼いの生活もきっとそうだろう。この延長線だろう。
一年間とはいえ、畜産の勉強も実習もしてたんだし、その経験で結構牛飼いこなせるんじゃないかな?
結構本気でそう思っていました。
今思うと・・・・・
超なめてますよねー(~_~;)
いや、牛飼いの生活が「わからない」から当然なんですけどね。
責任感もないですしね。
わからないならわからないで良いのですが、中途半端にわかった気になっていたのでとてもタチが悪かったです。
牛を見るって、どこをどう見るの?牛がわからない
さて、そんな感じで始まった牛飼いのお仕事。
単純な作業は出来るのですが、その先。
牛さんを観察して、いつもと違うところはないか?
変化を発見することが全く出来ません。
「あれ?私、畜産の勉強してきたはずなのにな・・・」
という気持ち、小さなプライドのようなものがずっとありました。
その当時も削蹄やセミナーなどで牛舎を留守にすることが多かった主人。
そうすると当然、牛さんが悪くなっていきます。
「なんでちゃんと牛見てなかったん?」
と言われれても
「ちゃんと牛舎の仕事(餌やりとかの単純作業)やってるもん!一馬さんが牛舎にいないのが悪いんだもん!!」
と反発。
ちょうど子育ても始まり、牛舎や牛さんから気持ちが離れていきました。
私は一馬さんのお手伝いが仕事
牛さんが見られない、出来ない部分に目を向けたくなかった。
そういう気持ちが無意識にあったのか、牛飼い生活が始まってしばらくしても、
「私の仕事は牛飼いです」
という意識はほとんどなく、主人のお手伝い程度に牛さんと関われたら良いかな。くらいに思っていました。
だって子育ても忙しいし(実際忙しい)、一馬さんの方が経験値も知識もあるし、私が出来ることってないじゃん。
出来なかったら怒られるし、怒られたくないし。
一馬さんに任せてたら良いじゃん。
そう思っていました。
主人は勿論私のことを「牛飼い」として見て話しますし、でも私は「牛飼いのお手伝い」として自分を見ているので、やるべき仕事の内容に相違点があるんですよね。
で、揉める。
もうこうなると、牛飼いが全然楽しく思えませんよね。
「牛舎行きたくない!」とふてくされて家の中で倒れて動かなかったり・・・・って、この時からしんどい時には倒れていたんだねー。
今とあんまり変わってないよ私(笑)
(あ、でも、これをネタに出来るようになったのは成長かな?)
そんな、楽しくないのを周りのせいにしてきた私でしたが、
子牛の事故や主人のうつ病など、変わらざるをえない状況になったのです。
(続く)