あつみブログ

牧場の主が削蹄で不在。留守番している嫁さんは何をしているのか

こんばんは!兵庫の但馬牛繁殖農家の田中あつみです。

我が家、田中畜産の代表一馬氏は、削蹄師と言って「牛さんの伸びた蹄を切って整える」仕事もしているので、頻繁に家を留守にします。
時々、一泊二日の泊りがけになることもあります。

三重県削蹄写真

輩な兄弟子さんと、ヤンキーな甥弟子君達と、削蹄だそうです。
そこは…否定しませんが(笑)
いやいや、とても頼りになる方々なのです!

牛舎で留守番している嫁さんは何をしているの?

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さて、こんな時、留守番組は何をしているかと言いますと…。
朝、牛舎の見回りと仕事をして
学校へ行く子供たちを起こして朝ごはんを食べ、バス停まで送り
午前中いっぱいは牛舎でお仕事をして
お昼ご飯を食べて買い出しに行って
また牛舎に行って仕事をして
子供たちを迎えに行って夕ご飯の準備をして
飯食って風呂入って寝る!

ざっとこんな感じです。
結構忙しいような、そうでもないような…。
仕事内容はありますが、自営業は割と融通が利くので、慣れれば平気です。

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昼間に、娘の通う小学校でマラソン大会があっても、都合をつけて応援にも行けちゃいます!
…って、光を取り込みすぎて写真がすごいことになってるーー(・_・;)!

餌をあげたり、掃除をしたりといった「作業」は、最初は大変ですが慣れれば全然苦になりません。
一番重要なのが「牛さんを見ること」です。
牛飼いは、これが仕事と言っても過言ではないかもしれません。

嫁いでからずっと失敗の連続でした

主人が削蹄や仕事へ行く時によく言っていた言葉。
「牛をしっかり見ておいてね」

牛飼いの先輩がよく言う言葉。
「牛をしっかり見ていたら良い牛ができる」

この「牛さんを見る」
牛さんを見るって…具体的に何をするのーーー?!
IMG_878633346「え…?何をするって言われてモー…」

岩手大学にいた1年間、実習をメインに畜産の勉強をしてきました。
たったそれしかしていないのに、嫁いだ当時
「素人よりはなんぼか牛も見てきたし、それなりにわかっぺ」
と、超~~~ナメてました、牛飼いを。

で、いざ主人不在時に牛舎を任されると…。

全く分からない。
まず、どこを見て良いのかが分からない。
言葉通りに、とりあえず姿を見るものの、特にこれといった変化もわからず。
それなのに、急に体調を崩した子牛が出てきて、その時初めて獣医さんに見ていただくとかなり重症であったり。
そんなことがよくありました…。

「牛さんを見る」に込められた意味

子育てもそうですが、最初はなんで子供が泣いているのかわかりません。

泣くというアクションがあってから→おなかすいたのか?おむつがぬれているのか?等を考察→行動してみる→違ったら別の行動を試す
そんなことを繰り返しながら、なんとなく子供が伝えようとしてることが感じ取れていきますよね。
そのうち経験値が貯まってくると、アクションが起こる前のちょっとした変化
いつもより元気が無かったり、言葉数が少なかったり、
を察知して、この子に何かあったのかを考察していけます。

その感覚にとても似ている気がします。牛さんを見るって。
よく分からないながらも、毎日牛舎に行って牛さんを見て、失敗しながら経験値を貯めていくからわかってくる。
もちろん今も、まだまだまだまだわからない事がたくさんあります。
もどかしく思う時も多いですが、だからこそ牛飼いは面白いのかもしれません。
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優しく見守っていただけたら嬉しいです

主の留守中、牛舎を任されるのはやはり緊張します。
牛さんに何かあったら、自分の責任になりますから。
任せる牧場主の方も、「任せて大丈夫か…?」と心配かもしれません。
それでも、奥様が牛さん好きだったら…。
失敗があっても、怒らずに見守ってほしいな~、と思うのでした(*^-^*)

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書いている人

牛飼いの嫁 田中あつみ

1987年生まれ。宮城県登米市出身。
田中畜産の牛飼い&精肉担当。小さい頃から馬や牛といった大動物が好きで、岩手大学農業別科へ入学。勉強しながら岩手の牧場でアルバイトに励む。
たまたま牧場に視察に来ていた主人と知り合い、結婚することに。2007年兵庫へ移住。牛飼いになってから美味しい牛肉を頂く機会が増えて喜んでいる。
アニメと海とチョコ(Meiji)が大好き。マイペースなB型母ちゃん。

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