最終更新日2019.1.8 18:50
身近な虫たちの世界を覗いてみよう!!
こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。
春になると生き物たちの活動が活発になります。
僕は小さい頃から動物や昆虫が大好き。
大きな牛もいいけれど、小さな生き物の世界こそ見ていてドキドキします。
身近にいる小さな生き物の世界を覗いてみよう
「どこか遠くに行けば見た事ない世界が。。。」
子供の頃はそんなことばかりを考えていました。
でもね、遠くに行かなくても見た事ない世界は無数に広がっている。
そのひとつが昆虫たちの世界です。
5月は虫たちが一番活動する時期。
ではでは早速、この小さな生き物たちの世界を覗いていきましょーーーう!!
5月上旬~カワゲラたちの大飛行~
5月上旬、何千匹もの羽虫が川下から川上へ飛んでいきます。
最初は天変地異の前兆か!?と焦った僕。
慌てて切れていた懐中電灯の電池を買いに行きました。。。
実はこれ、異常行動ではなく自然現象なんですね。
幼虫時期に川下に流されていった幼生が、羽化して上流へと産卵に向かう現象。
そう思うと何だか神秘的に見えてきます。
1匹だったらタダの虫。
でもこうやって種としての意思を見せられると、その姿に圧倒させられます。
一斉に飛んでいる虫達をよく見てみると、2種類の虫が一緒に飛んでいました。
オスプレイみたいに空中で止まったように飛ぶのが【カワゲラ】。
捕まえてみるとどれもこれも卵を抱えています。
「これから産卵に行くんだな」と思って掴んでいたら、ポロっと卵が・・・あああ。
違うカワゲラを捕まえてみると、またすぐに卵が・・・ああ。
悪いなあと思いながら、娘と一緒に空中キャッチ競争をしていました。
一方、カワゲラに反して全く安定感の無い、まるで酔っ払いのような飛び方が【ヒゲナガカワトビゲラ】です。
この子は非常にトリッキーな動きをするため中々キャッチが出来ない!(するなよ。)
全く違う動きをする2種の昆虫。
次々とツバメに捕食されながらも、一緒になって川上へと移動する群れを見て、「待ち構えるツバメへの対策なのかもしれないな。。。」そんなことを感じてしまう。
ちょっと意識するだけで、僕らの周りには魅力的な世界がある。
虫たちの動きにはすべて意志と意味がある。
それを教えてくれた昆虫が僕にとってはカワゲラなのです。
5月中旬~ハチ達の動く時期~
5月中旬になるとハチたちのシーズンに入ります。
今日も牛舎の中ではたくさんのミツバチが飛び交っています。
牛のおしっこで湿ったおがくず。毎日毎日ミツバチたちが水を飲みにやって来ます。多い時には数十匹。牛の周りはハエが多いイメージがあるけど、実は今は圧倒的に蜂の方が多い。生き物の周りにはたくさんの生き物がいるんだよね〜。 #牛ネタ pic.twitter.com/FgObjIgFZ9
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 25, 2017
オシッコを吸ったオガクズに今日も集まるミツバチたち。多いなー。今日も多いなー。除糞の際に一緒にすくっても決して刺すことはないミツバチ。逃げもしない。肉食系の蜂は攻撃的だけど、ミツバチって本当おとなしいんです。 pic.twitter.com/b6uUuh3Pp1
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 28, 2017
ミツバチフライト編。ハエは1匹もいません。全てミツバチっす。牛たちも害がないので知らん顔。ミツバチ100匹よりもサシバエ1匹の方が牛たちには脅威なんだよね。 pic.twitter.com/1by1sAb4kl
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 28, 2017
水分補給のために飛んでくるミツバチ。
この子達を見ると春だなっていつも思います。
春と言えば蜂のシーズン。
もう、蜂を見るだけで美味しそうな気持ちが高まります。
ハチたちについては過去にブログにしていますので、こちら↓もご参照くださいね。
5月下旬~キアシドクガの大繁殖~
春の昆虫の代表格と言えばやっぱり蝶ですよねー。
但馬地域では5月下旬になると木の周りに真っ白な蝶が大量に発生します。
一見モンシロチョウに見えますが、実は蛾。
この時期は様々な虫たちが一斉に活動し始めます。1000匹以上のキアシドクガが羽化し、牛舎周りを飛んでいます。一見モンシロチョウだけど蛾。蛾と言ってもモンシロチョウより白くて美しいんです。このタイミングを鳥たちは見逃しません。スズメにとってキアシドクガの羽化はご馳走タイムなのです。 pic.twitter.com/7HsfPgpB9F
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) May 29, 2017
キアシドクガという名前で、その名の通り黄色い足が特徴。
ドクガという名前ですが毒はありません。
モンシロチョウの羽は少し黄色みがかって紋がありますが、キアシドクガは純白の羽が特徴です。
ちょっとモンシロチョウとくらべて見ましょう。
ね、全然違うでしょ!!
個人的にはモンシロチョウよりもキアシドクガの純白さに心が惹かれます。
キアシドクガの飛ぶ木の下に行くと、たくさんの蛹の抜け殻を見るけることが出来ます。
この時期に一斉に羽化し、一斉に繁殖を始める蛾たち。
全ての過程が見ているだけで美しい。。。
撮影中、交尾中のキアシドクガを見つけました。
白い羽がウエディングドレスみたい。
まるで森の妖精のようでした。
虫たちの世界は少し覗くだけで想像もしない美しさが広がっています。
そこに種としての虫の意思を感じた時、世界ってスゲーなって僕はいつも思うんです。