最終更新日2019.1.8 16:20
僕の思う「食育の正解」とは
こんばんは。
但馬牛繁殖農家の精肉店、田中畜産の田中一馬です。
10日ほど前、僕の住む香美町内にある柴山小学校で牛の講演をさせていただきました。
牛の講演会
今までも小学生対象の講演は何度も経験があります。
だから講演半月前のFB投稿なんて、こんな余裕っぷり。
はい、調子のってますね。。。
だけどこう見えて実際は入念に準備するタイプなんです。
準備しすぎて1時間の講演なのにスライド285枚。
ん?おかしいよね????
15秒に1枚て、おかしいよねーーーーー!!!!!
実はスライドと言っても全て牛の写真。
シナリオを作って説明するんじゃなく、牛の写真を見ながら会話する。
そんな時間にしたかったんです。
一方的に思いを押し付けられるほどつまらない話って無いもんね。
牛を身近にする
今回の講演で伝えたかったことは1つでした。
それは、牛を身近にするってこと。
命に感謝するとか、いただきますを考えるとか、そんなもの教えてわかるもんではありません。
僕らは365日命に触れあっています。
それは道に生える草や虫、空を飛ぶ鳥、家族や自分自身。
僕らの体表にだって1兆個の微生物が住んでいる。
認識できないくらい命は僕らの周りにあります。
そこで「牛肉は牛の命をいただいているから、大切に食べようね。」
なんて言っても伝わるわけがありません。
僕だって自分の飼ってきた牛の肉とスーパーで買う牛肉じゃ命の重みが全然違うもん。
全ての食材に同列に感謝するなんて僕には無理。
自分にとって大切だから「ありがとう」って思うんだよね。
大切なものに主観が入るのってあたりまえ。
そもそも大切だってことは主観です。
だからこそ僕は子供たちに牛ってこんな動物なんだよ。
僕の家にいた夢っていう牛はこういう風に育って、こうやってお肉になったんだよっていう事実を僕の言葉で伝えたかった。
そういったエピソード一つ一つが子供たちにとって牛を身近なものにしてくれると思う。
身近であるからこそ関心がわき、思いをはせることができるのだと思うから。
僕の思う食育の正解とは
後日、柴山小学校のPTA会長さんが牛舎まで子供たちのお手紙を持ってきてくださいました。
全てに目を通すと、ありきたりな感想や突き刺さるような感想と色々です(笑)
でもね、いろんな意見があっていいと思う。
答えなんてないし、それは僕の範囲外。
この講演が子供たちにとってひとつの牛との体験になれば、それで今回は成功なんだと思う。
あっという間の1時間で、めっちゃ楽しかったです!!
僕は講演家じゃないから、もうやらないけどねーーー!!
みんなが地元の但馬牛に誇りを持って、毎日のご飯の時間が楽しいものになれば良いなと思います。
それが僕の思う食育の正解なんです。