あつみブログ

大好きな牛さんを大切にお肉にすることは矛盾しない~屠畜を終えて思う事~

 

「てるひさ」と「まつふくよし」

2頭の牛さんが、無事にお肉になりました。

 

 

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こんばんは。

兵庫県の但馬牛繁殖農家、精肉販売をしております、田中畜産あつみです。

 

 

季節が巡り、今年もお肉販売の時期がやってきました。

 

 

我が家で取り組んでいる、放牧敬産牛肉。

役目を終えたお母さん牛を、出荷する前の8か月間、山の放牧地で放牧させ、そのままお肉にしています。

 

こんな生産方法のため、山に雪が降る前の時期にしか精肉販売をしないという、なんとも変わった我が家です。

 

 

今日は、そのお肉にする子達を、屠場へ連れて行く日でした。

早朝から主人と二人で山へ行き、牛さんを家畜車に積んで出発します。

 

 

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気温差もあったためか、放牧場の真下には雲海が広がっていました。

 

 

屠場に着くと、すでに多くの牛さんが!

年末年始やお盆の時期は、牛肉の消費量が上がるので、今時期お肉屋さんや屠場は大忙しです。

繁殖農家の我が家。普段は屠場へ行くことはほとんどありません。

他の人の邪魔にならないように、牛さんを見たり、作業を見たりします。

 

 

我が家の子達も、無事にお肉になれました。

関係者の皆様、本当にありがとうございます!

お客様にこの子達を届けられるのが、ただただ嬉しいです・・・・

 

 

 

今でこそ、牛さんがお肉になることに対して肯定的に捉えていますが、以前はそう思えなかったです。

 

 

「え、食べられちゃうなんてかわいそうじゃん。。。」

「結局食べるために育てるんでしょ?」

 

特に繁殖農家・肥育農家は子牛だったり肥育牛だったりを取引して、それをお金に変えて、最後はお肉になるというのがダイレクトに伝わってきますよね。

 

それが嫌で、嫁ぐ前なんかは「酪農家は牛さん売らなくても良いだろうから、酪農家の方が良いな」て本気で思っていました。

酪農家だって、子牛も売りますし、お母さん牛はやっぱりお肉になります。全く分かっていなかったんですね^^;

 

嫁いでしばらくは、子牛を市で販売するのもなんだか嫌でした。

お別れが悲しくて・・・

 

 

今思うと、

 

この子たちの命を売って生活している・生活出来ている

 

という事が受け入れられなかったんだろうなって、そう思うんです。

 

愛着があるのももちろんあります。

それなのに、かわいくて、大切な存在なのに、売ってしまうの?

後々はお肉になっちゃうんでしょう?

 

牛さんが好きで畜産の世界にやって来たのに、最終的にはお肉にしてしまう事が受け入れられないような、矛盾があるような・・・

そんなふうに感じていました。

 

 

その気持ちが変わったのは、自分たちでお肉販売をするようになってからです。

 

牛さんたちは、お肉になって終わりではなく、その先のお客様。

誰かが買って食べてくれて、その人の力に変わっていく。喜んでくれる。

命は巡っていくんだな。

そう実感しました。

 

 

形は変わってしまうけれど、この子たちの命は意味がある。

「大切に飼う」ことと「食べること」は矛盾しないんだ。

大好きな牛さんを大切に飼って、お客様に届けて、生活をする。

それが牛飼いなんだな。

 

自分の中に、その思いがストンと落ちてきました。

 

 

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この子たちは、この子たちの生を全うしました。

これから先。

私たちの精一杯で向き合わなかったら、そんなのダメだよね。

 

 

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私たちも頑張るよ!!!

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書いている人

牛飼いの嫁 田中あつみ(モー子)

1987年生まれ。宮城県登米市出身。
田中畜産の牛飼い&精肉担当。小さい頃から馬や牛といった大動物が好きで、岩手大学農業別科へ入学。勉強しながら岩手の牧場でアルバイトに励む。
たまたま牧場に視察に来ていた主人と知り合い、結婚することに。2007年兵庫へ移住。牛飼いになってから美味しい牛肉を頂く機会が増えて喜んでいる。
アニメと海とチョコ(Meiji)が大好き。マイペースなB型母ちゃん。

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