最終更新日2019.1.8 11:42
夜中の電話、牛のお産
こんばんは。
兵庫県で但馬牛の繁殖農家・精肉販売をしております、田中畜産あつみです。
小学校と地区の運動会も終わり、集落のお疲れ様会BBQも終わって夜帰宅。
夕方から陣痛が始まってるお母さん牛がいたんです。
今回で2産目。出産予定日よりも2週間ほど早い陣痛。
しかもこのお母さん牛、初産が死産ということもあり、かなり気にかけながら様子を見ていました。
陣痛も来ているし、産室に入れて、胎児と産道の確認を。
うん、生きている。けど、産道が狭い。
これからお産が進むうちに産道も広がってくるかもしれないと、もう少し様子を見ます。
ところが、しばらくしてもお産があんまり進まない。産道も狭いままで胎児も奥の方にいるそう。
私達だけでは難しいかもしれないと、夜中でしたが獣医さんに連絡し、分娩介助をして頂くことにしました。
胎児の様子や状況を丁寧にチェック。
どうやら、胎盤は正常だけど、胎児が少しねじれた体勢だったそう。
産道はやっぱり狭いので、胎児の体位を直しながら引っ張り出しましょう。
と説明を受けます。
はい!!!
掛け声に合わせて引っ張る、引っ張る!
ドゥルンと出てきた子牛の人工呼吸や諸々の処置をします。
お母さん牛は出産の傷の痛みもあり、子牛のお世話の余裕はなさそうです。
子牛を育てたことがないというのもあるかもしれません。
なので、子牛を藁で拭きながらドライヤーで乾かします。
粉末初乳をあげ、頭突きとかはしないけれど、静養の意味も込めて一旦親子別室で一晩過ごす。
そして翌朝。
すやすや寝ていました。
お母さん牛はまだ痛みがありそうでしたが、草もちょっと食べていたので少しだけ安心。
そんなこんなで牛舎の仕事をしてお昼過ぎ
立ってたーーーーー!
立ってたよーーーーーー!!
クララが立った!ばりに喜ぶ私。
その後お母さん牛と同室にして、繋いでお乳を飲まそうとしましたが、嫌がるし、まだ時間がかかりそうです。
ミルクも足しながらが良さそう。
私たちがしっかり見なくては!!
それにしても、お母さん牛も子牛も無事で本当に良かったです。
我が家はお産のことに関してはチェックはしますが、何か気になることがあったらすぐに獣医さんにお願いする方です。
一刻を争う事態もあるから。
その一刻を争う事態は、時間帯や状況に関係なくやってきます。
農家は我が家のことだから受け止めますが、それに呼ばれる獣医さんは本当に大変だよなぁといつも思う。
呼ばれたと思ったら、いきなり緊張する現場なんだもの。
ありがとうございます、獣医さん。
大好きな獣医さんの本、ヘリオット先生を思い出します。
ペットの獣医さんとはまた違う、家畜の獣医さん。憧れの存在です。