田中一馬ブログ

僕は【ばっこお(経産牛)】の可能性を信じてる

鶏50日、豚6ヶ月、国産牛(ホルスタイン)20ヶ月、和牛30ヶ月、雌和牛の長期肥育40ヶ月。

家畜が肉になるまでの平均的な期間。

そんな中で120ヶ月齢〜240ヶ月齢で肉になる牛たちもいる。

それが【ばっこお】。僕らの地域でいうお婆さん牛。いわゆる経産牛だ。

経産牛とは子牛を生産するために飼われている母牛のこと。年齢は3歳〜20歳までと幅広く、肉としてみたときににバラツキの大きい牛でもある。

特に15歳を超えた経産牛は肉付きも悪く硬い。今だったら5万円〜10万円も出せば牛は買える。枝肉市場に出せば二束三文だ。

でもそんな【ばっこお】の肉の味は驚くほどに濃い。

基本的に肉の味って月齢が進むほど濃くなっていく。ヒネドリもそう。牛も歳をとった方が味わいが深く、但馬牛の経産牛は和牛の中でも風味が良い。昔から僕の住む但馬地域では「ばっこうの肉は美味い」ってのが当たり前の認識なのだ。

経産牛(17歳)の肩ロース

ただ肉屋としては「扱いにくい肉」であることは間違いない。ロースは良いけどモモやウデは固い。バラは薄くて使いにくい。

肉の硬さはクレームに、パーツの薄さは低価格帯の商品を生む。

そんな経産牛もカットの仕方や調理法でめちゃくちゃ美味しく食べることができる。だってそもそもが美味しい肉だもん。

よしえふく(18歳)のロースはマジで美味しかったな。。。

経産牛はバラツキが大きい。だから食べなきゃ最終的な判断はできない。でも13年前に食べた22歳の「いつひめ」は今でも覚えてるのだ。人で言えば100歳近い年齢。想像を超えて半端なく美味かったんだよね。

【ばっこお】は難しい。だけど美味い。そう思ってる。

経産牛を伝える

先週近所の牛飼いさんから19歳のスーパーお婆さんを買ってきた。

市場で評価される最高の肉牛(未経産)もいれば、理想肥育と遜色のない若い経産牛もいる。

みつひめまる16(4歳)。この牛もやばかった。

でも経産牛のほとんどは年経た【ばっこお】だ。

難しいけど美味しいばっこお。

そんな牛たちを僕だからこそ、届けられる価値があるって思っている。
まだまだ受け入れるキャパは小さいけどね。地元で活躍した牛たちの受け皿になれるよう頑張りたい。

来月は我が家から「てるふく」と言うばっこおを出荷する。17歳。繁殖牛として我が家を支え、18ヶ月間じっくりと飼いなおした経産肥育牛。

片側ロースは人形町今半本店さんで。ブリスケは大阪の焼肉たつみさんに。残りはいつも通り我が家でカットしてみんなに届けたいって思ってます。

マジでめっちゃくちゃ楽しみ。

経産牛と但馬牛のポテンシャルを信じてるし、僕の肉を待ってくれてる人に喜んでもらいたい。

やんぞ。

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として様々な農家の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛を中心に長期肥育や経産肥育、放牧牛肉の生産などをスタート。
好きなものは牛肉、漫画、純米酒、ウイスキー。ここ1年はサウナにドハマり中。

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