最終更新日2019.1.8 16:20
牛が誕生する時に見ることができる2種類のお餅たち
こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。
最近は毎日のように牛のお産があります!!
つい30分ほど前も1頭の雌子牛が生まれました。
たくさんの命が行き交う現場は、シビアだけど魅力があります。
生き物を飼っていれば、本当にいろんなことがある。
でもね、そんな現場にもほっこりする瞬間はあるんです。
その一つがお餅っす!!
牛の誕生とお餅
いやいやいや、お餅ってなんやねん。。。って思う方もおられると思います。
実は牛が誕生するときにだけ見ることができるお餅があるんです。
お祝いの紅白餅ではありませんよ。
それが、
蹄餅と、胎餅です。
①蹄餅(ていぺい)
牛の蹄底は基本フラット。
しかし、生まれたばかりの子牛の蹄は平ではありません。
蹄の底にはお母さんの胎内や産道を傷つけないために、蹄餅(テイペイ)と言うプニプニとした角質が付いています。
こちらはさっき生まれた子牛の蹄↓↓
触ると消しゴムのような弾力性があります。
このプニプニを触るのが僕は大好きなんです。
ちょっと触るとボロッと取れてしまいう。
だってそのままだと歩きにくいもんね。
2~3日もすれば外側に黒色の蹄壁が見えてきます。
1週間もすれば蹄餅はすり減って無くなります。
これが一つ目のお餅、蹄餅です!!
②胎餅(たいぺい)
蹄餅は必ず子牛の蹄についているのですが、中々出会えないレアなお餅もあります。
それが胎餅です!!
お産の時に見かけるので「お産餅」とも呼ばれています。
一見すれば栃餅。
くにゅくにゅして、匂いもなく、べとべともせず、なんというか。。。餅です。
(詳しくはこちらのブログ→「お餅って知ってます?」)
いつか食べてみたいと思っているのは僕だけなんだろうか。。。。
命の始まりに出会う餅たちを見ると、ほっこりしてしまう僕です。
一升餅
人間にはお餅はくっついてきませんが、1歳の誕生日に子供に餅を背負わせる1升餅ってやりますよね?
そこには「一生食べ物に困らないように」とか、「一生円満に生きられるように」といった願いが込められています。
だから、こんなに小さかった少女も。
小学2年生に!!!
こんなにかわいかった少年も
40前のおっさん3児の父となりました。
すごいよね。
命の始まりは終わりへのカウントダウンでもある。
だけど1秒も止まることなく流れ続けるこの命の輪。
こうやってこの輪の中で、今共にいられることが本気で素敵だって思うんです。
生き物は何かの命を奪う事なしには生きられない。
太古から世界は殺し殺しの連鎖で回っている。
それでもこの世界が美しいと思うのは、それぞれが生きようとする意志があるからなんだと思う。
それぞれの命に願いが込められているからなんだと思うんです。