お待たせしました!2019年放牧経産牛肉「てるこ3」販売開始のお知らせ

田中一馬ブログ

放牧場でなかなか捕まえさせてくれない牛の捕まえ方

こんにちは

但馬牛の繁殖・削蹄師・放牧牛肉肉屋の田中一馬です

先日愛知県でシマウマが逃げたというニュースを見ました

逃げるシマウマは捕まえられませんが逃げる牛なら捕まえられます

いろんなパターンの牛の捕獲方法はこちらから。)

関係性で捕まえ方は変わる

牛の捕まえ方は牛との親密度や飼育環境によって変化します

放牧場での牛たちは人の手を借りなくても生えている草を食べて生きていくことができます

しかし何ヶ月も放牧したまま牛を放置していると人間との関係性が薄れ野生化してしまう牛がでてしまいます

逃げる場所が無制限にある放牧場で野生化した牛を捕まえることは非常に困難です

そのために牛の好きなフスマや配合飼料を持って定期的に放牧場へ行き安否確認しながら牛との関係性をキープしています

関わりを常に作ることで牛との距離を適正に保つことができるのです

しかしそんな中でも人と牛との距離は様々

人間と一緒で牛にも色んな性格の子がいます

馴れた牛は自分から人間に近寄ってきてこれでもかっ!!というくらい舐めてきます

一方牛舎では近寄ってくるのに放牧場のような広大な土地に放すと距離をとる牛もいます

中には何をしても全く馴れない牛も。。。。

こういった牛との親密度に合わせて牛たちの逃走距離が変わってきます

逃走距離とは自分を中心とした絶対不可侵ゾーン

0mの牛もいれば10mの牛もいます

逃走距離1mの牛は少し時間をかけると馴れるので捕まえやすく10mになると難易度は一気に上がります

一人で捕まえるのはプロでも超至難の業

微妙なのが逃走距離6mくらいの牛です

近づけそうなんだけれど決して近づけさせない

いつでも逃げられる距離で様子を伺う。。。

こういう牛は駆け引きが大事になってきます

どんな牛でも言えることですが捕まえるコツはビビらせない「焦らないです!

それでは実際に逃走距離6mの牛を捕まえてみましょう!!

逃走距離6mの牛の捕獲編

この牛はよしひさ07という牛です

となりの農家さんの放牧場に紛れ込んでいたので捕まえに来ました

15mほど先で草を食べています

バレた

ここで目を合わしてはいけません

君の事なんて見てないよ~ただ歩いているだけだし。」という雰囲気で

牛に直線で向かっていかずにちょっと進行方向をずらして近づきます

しれっと5mまでは近づくことができました

いよいよ逃走距離に入っていきます!!

牛を捕まえるには頭鼻輪をおさえなければいけません

正前から行くと牛は逃げるので遠方から近づくときは斜め後ろ→側面が基本

捕獲可能な距離に入ってから手を伸ばすとせっかくのチャンスに警戒させてしまいます

そのため前もって手は挙げておきましょう

ばぁよぉ~ばぁよぉ~と優しく声をかけゆっくりさりげなく近づきます

この手を恐いものではなく「恐いんだけれど興味あるんだよな。。といった気持ちにさせることが大事です

バレても止まったりせずゆっくりそのまま

あくまでたまたま近くを通った人を装ってくださいね

牛が顔を上げていつでも逃げられる体勢に。。。

でも焦って尻尾を掴んじゃ絶対だめっす!!

焦る人はきらわれます

視線は牛ではなく遠くを見ながら止まらず焦らず自然体で

おおっ!手が気になってます!!!チャンスか!?

これ牛の真横にいるように見えますがまだ牛との間には2mほどの距離があって手が届きません

ここで焦って鼻輪をグッと捕まえにいってはダメです

鼻輪に手がかかるよりも速いスピードで牛は彼方に逃げて行ってしまいます

グッと我慢!!

ここポイントです!!!

せっかく近づけましたが「やっぱ恐い!と牛は旋回して逃げようとします

決して慌ててはいけません

想定内です

真後ろから追うと逃げるのでやや斜め後ろから他人のフリ再開です

歩くスピードは一定に

あくまで普通に

焦ると牛は逃げます

常に視線は牛から逸らしましょう

お前を狙ってるんだ!と思わせないためです

逃げる牛にスピードを上げずついていくには牛の行き先を人間側が誘導しなくてはいけません

微妙な体の動作で自然なフェイントを入れ逃げ道を限定します

そして常に牛の横&内側を歩きます

こうすることで外周を歩く牛の距離と内側を歩く人の距離に差が出てき牛のスピードに合わせて人がスピードを上げなくてもよくなります

人のスピードが上がると牛は焦る

牛がスピードを上げると人はもっと内側を歩き牛がスピードを落としてくるとすこしづつ外側に移動し牛に近づいていきます

牛がこいつだったらちょっとっくらい近づいてもいいかな。」

ってな気持ちになるまで焦らず共に歩きます

距離が近づくまで根気よく根気よく

そしてついに牛の体にタッチできる距離まで縮まりました!

この時も焦らない!!

焦ってはすべてが台無しです

100%捕まえられる!と思う所まではなかなかいかないので90%は捕まえられると思うとこまで粘ります

そして残りの10%に今までためてきたパワーで焦らず素早く一気に捕獲します

こうして6mの牛の捕獲が完了です!!!!

次回は逃走距離10mの牛を捕まえてみます

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書いている人

しゃべらないけど発信はマメ 田中一馬(カズマ)

1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。
小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。
2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。
2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。
好きなものはカメラ、カレー、コーヒー、純米酒。

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