最終更新日2019.1.8 16:19
使い込んだ鎌形蹄刀は縦型水研機(タテケン)で研いでみよう!!
タテケンって知ってますか?
縦型水研機と言って刃物を研ぐ機械です。
タテケン来たーーー!!タテケンは縦回転の電動水砥石。凄く便利なんだけど値段も品質もピンキリ。迷いに迷い相談したのが刃物屋ホームセンターいないの@r34h15_inai 晴ちゃん。高かったけどね(笑)。ひとつも迷わなかった。これが一番間違いないもん。わざわざ来てくれて嬉しかったな。ありがとね! pic.twitter.com/Yg9xNR8k39
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) August 12, 2018
ネットで何でも買える時代。
安売りもしてない『縦型水研機』を注文してくれるお客さまがいる。「遠方なんで送りましょうか?」と伝えると「会いに行きたいんだ君に…」と返答が。1億円の売上より嬉しい体験であり嬉しい言葉である。そんな水研機だが業界用語ではタテケンと呼ぶ。#ホムセン #タテケン pic.twitter.com/hDPiha5mZA— 大西 晴樹 倉吉のホムセン【晴ちゃん】 (@r34h15_inai) August 11, 2018
僕が削蹄鎌を研ぐときは砥石での手研ぎがほとんど。
たまにグラインダーを使うこともあるけどね。機械は刃物に熱が入って切れなくなるから基本的には使わない。
(※手研ぎに関しては過去ブログを参照ください。「削蹄鎌の研ぎ方」)
手で研ぐということは刃物を知る近道だと思うし、研ぐ感触と切るイメージがつながれば削蹄の技術も上昇するっていうのが僕の持論。
でも、手で研ぐのが大変な刃物もあるんです。
例えば使い込んだ鎌型蹄刀。
刃物というのは刃先から遠方へ行くほど厚みが増していく。
そのため使い込んで刃が短くなると必然的に刃は厚くなります。
こういった鎌の刃の腹を刃先まで均一にフラットにするのは非常に手間がかかる。
そのためこのように刃先だけ角度を立てて研ぐケースが多いんです。
それも悪くはない。
厚く欠けにくい刃は硬い蹄用にぴったりだから。
ただ、立てて研げば研ぐほど刃先と刃の腹の段差ができてスムーズな運刀はできなくなってしまう。
「腹から刃先までフラットに」
これが削蹄鎌の基本だと僕は思っている。
タテケンを使ってみよう
しかしここで大きな問題がある。
厚みのある刃を腹から刃先まで均一に手で研ぐには時間と技術が必要になる。
1本の鎌のために何十分も時間なんてかけられないのが実情。
そこで登場するのがタテケンなのだ。
https://twitter.com/tanakakazuma/status/1031341152803250176
違いがわかるかな?①左上②右上③左下④右下の順に鎌を研いだ。細くなった鎌はサラの時に比べて刃も厚く、薄く研ぐ事が難しくなる。①の様に刃先だけ立て硬い蹄用の鎌になりがちだ。それも悪くない。でもタテケンを使えば5分もかからずこの通り。刃の腹がフラットになりスムーズな運刀が出来るよ。 pic.twitter.com/8MMMwCGXh6
— 田中一馬 但馬牛農家の精肉店・田中畜産 (@tanakakazuma) October 17, 2018
タテケンを使うことで鎌の腹があっという間にフラットになる。
これが2分で
こうなる。
さらに1分。手研ぎなら1時間コースだ。
最後に手で研ぎ直し。これも2分くらい。
違いがわかるかな?
タテケンは水を使った電動砥石のため刃物に熱が入らない。
また鎌型蹄刀は刃がカーブしているため横回転の水砥石では研ぐことができないんだよね。あ、あと、安物のやつはすぐ壊れる。。。笑
オススメは吉岡製作所の205。
砥石は#1000。
動画を撮ったので見てみてね。
ね。マジですげー便利です。
昔は指から血が出るまで何時間も研いでたけど、使えるものは使うべき。
削蹄師なら1台は持っておきたい機械ですよ!!
ちなみに鉈や包丁は砥石幅のある310がオススメ。
それについてもまたブログに書きますね。
タテケン要チェックです!!!