最終更新日2019.1.8 11:41
私が時間も忘れるくらい夢中になれたもの、時間
こんばんは。
兵庫県で但馬牛の繁殖農家をしております、田中畜産あつみです。
先日、岩手大学の農業別科(一年間だけ農業について勉強できる科)にいる頃にお世話になった方へ、お花を贈りました。
春休み中の子供たちとお花を買いに。
先月末で退職されると、同じくお世話になった先生から連絡を頂いてのことでした。
お花が届いてすぐ、先生からもその方(Aさん)からも、
「届いたよ、ありがとう」
の連絡を頂きました。
Aさんはいつまでも牧場で勤務されるってイメージがあったのですが(笑)
私が卒業してから、もう10年経ったんですよね~。
そうか、もう10年たったんだなぁ。あっという間だなぁ。
それで、少し電話でお話をしましたが、その当時のことをぶわあぁーーーーっと思い出しました。
10年前のことですが、とても色鮮やかに。
岩手山の麓にある付属農場と。
雫石にあったもう一つの付属農場。
ここでの思い出は宝物です。
時間が経つのも忘れるくらい夢中だった岩手時代
よく、「昔の思い出は時間の経過もあって、良かったことだけしか残っていない」と聞きますが、この岩手の頃は本当に楽しかった。
時間の経過とかではなくて、全部が全部、楽しいし好きなことだけやれてたように思います。
初めての一人暮らしも、初めての畜産の勉強も、その中で働いている方々とのやり取りも、免許取りたての車の運転も。
大学と付属農場は結構離れているのですが、その長い移動時間も楽しかった。
大学の授業も聴講してましたが、私はほとんどの時間を付属農場で過ごしてました。
そこの職員だったAさん。
牛さんを見ながらいろいろと教えてもらって話していました。
搾乳の仕方や、一日の流れや、この牛はこうでな、とか。
お礼状の書き方も教えてもらったなぁ。
時間が経つのも忘れるくらいでした。
電話が終わってから、この感覚を思い出したんです。
時間を忘れるくらい夢中になった感覚。
誰にでも、時間を忘れるくらい夢中になったものがある
ふと思い出した、藤村正宏先生の言葉。
藤村先生は、私が勉強しているエクスペリエンス・マーケティング、通称エクスマの提唱者。
モノではなく「体験」を売る視点でのお話をされます。
先生はたびたび、
好きなことを仕事に取り入れてみよう
誰にでも、時間を忘れるくらい夢中になったものがあると思う。
その「楽しい」の感覚は正解だよね
仕事の中での楽しさや面白さを取り入れるお話をされます。
昨年参加した塾でもそのことを仰っていて、ずっと
「私の好きなこと、夢中になったことってなんだろう?」
と思っていました。
その時は、仕事以外、牛飼い以外での楽しさを探してました。
自分の好きなこと×自分の仕事
みたいな。
でも、時間を忘れるくらい夢中になったことは思い出せず、「私は何事にも夢中になれるくらい突き詰めてやってこなかったのかも・・・」とも感じてました。
で、数日前のAさんとの電話で思い出しました。
あ、やっぱり私が好きで夢中になれることって、牛さんのことだったんだ~
牛さんも好きだし、その世界に携わる人や気持ちも好き。
夢中になれるもの、もうやってるじゃない
それを主人に話したら、また違う反応で。
「たぶん、あつみはそれ知ってたと思うよ。牛飼いが夢中になれることだって。
気が付かないふりをしてたんじゃない?」
それに気が付きと、責任を持って取り組まなきゃいけないから。
逃げが欲しかったんじゃないの?
って。
「なんだよそれ?!」と怒るのと同時に「そういう面もあったのかもしれない」と思いました。
好きなことだけど、しんどい場面もある牛飼い。
しんどいのとは向き合いたくないきもち。
まだまだだなぁ。でも、これが今の私だから。
それでも、Aさんとの電話や、先生とのやり取りで、しっかりと、牛が夢中になれることだってのが分かりました。
その根っこ。
牛が好き、という気持ちが出来たのは、確実にこのころ。
岩手で勉強していた時。Aさんや先生のおかげです。
当時教えて貰ったことや牛さんの知識は、もしかしたら今は通用しないかもしれない。
でもそうじゃない。
知識とか情報とかじゃなくて、一番の根っこを作ってもらった場所です。
それがとても嬉しい。
平田先生、Aさん、ありがとうございました。
今年は全共もあるので、その時に立ち寄れたらと思います!
当時よりも成長しただろうか・・?
そんな姿を見せられたらいいな。