最終更新日2019.1.8 11:39
田中畜産の夫婦はこうして誕生した③
こんばんは。
兵庫の但馬牛繁殖農家の田中畜産あつみです。
今日は昨日の続き、
岩手に住んでいた私と兵庫県に住んでいた主人、普通でしたら二度と会うこともない二人がどうして結婚に至ったのか?
の続きを書こうと思います。
そういえば、私も名刺を渡していたんだよね。
書きながら思い出したのですが、そういえば、主人と出会った朝。
自己紹介をしながら確か名刺をもらっていたのです。
これなんですけどね。
あ、今はアドレスが変わっているので、ここにメールとかをしても主人には届きませんよ!
その当時、ただのバイトさんだった私は名刺を持っているはずもなく、でも名刺っぽい何かを渡さなくてはいけないのか?
と思い、メモ帳だか何かの紙にこれを書いて渡しました。
(さすがに現物は残っていなかったので、再現して書いたもの)
はい。
情報開示する気があまり無い名刺ですね!!!
だって、名刺って何を書くものなのかよくわかりませんでしたし・・・・
そうそう。
それでですね、視察農家の田中さんは多分これを見てだと思うんですけどね。
視察後、
「無事に帰宅しました。ご一緒させていただいてありがとうございました。」
的なメールを送ってくれたのです。
それに「こちらこそ〜」みたいな返信をして、その時はそれで終わりました。
手作りチーズを作ってみようと思ったのです。
その後、また普通に店頭販売をして、牧場に遊びに行っての生活に戻りました。
その生活の中で、
「店頭とかに何か新しい商品があったらどうだろう?あったら楽しいんじゃないか?」
と、ふと思いついたのです。
牛乳に飲むヨーグルトにソフトクリームにアイスはある・・・・
そうだ!チーズだ!!
この牧場の牛乳でチーズを作ったらどんな味になるんだろう??
できないかな?
よーし作ってみよう!!
そう考えたのです。
はい。
特に社員の方に話を通していない、ただの私の妄想です。
好きなことには色々と頭を働かせる(そして暴走する)私です。
その当時、私はパソコンを持っておらず、あるのはガラケーのみ。
今でしたら「ググれ」ばすぐに調べられたのですが、それができない環境でした。
なので、大学の図書館に行ってみたり、大学でお世話になった先生や職員の方に作る方を聞いてみたりしました。
でも、もうちょっと別の人の話を聞いてみたいなぁ・・・
ハッ!!!
あの時の視察農家さんはどうだろう???
確か、社長と一緒に短角牛を見に行く道中、数少ない会話の中に
社長「田中君は、酪農学園大学の出身って言ってたよな?」
田中君「はい、そうです」
・・・・って言ってたような・・・
「酪農」って名前がつくくらいだし、チーズ作りとか酪農に関する勉強をたくさんしてきているんじゃないか??!
(※酪農学園大学は、畜産学や獣医学、農業経営や食品研究など、幅広く学べる大学です)
という、相当な勘違いをしながら、
「お忙しい中恐縮ですが、これこれこういうわけで、チーズの作り方を教えていただけたら嬉しいです。」
とメールをしたのでした。
なかなか途切れないメールの仕方だったんだよね
それからすぐに返事が来たのですが、ただ
「これこれこういう作り方です。上手にできるといいですね!頑張ってください!」
みたいな、そこでやり取りが終わるものではなかったのです。
「こういう作り方もあるみたいですね」
「この地方ではこうして食べられるみたいですよ」
「僕が大学の頃は、確かこうして作ったんですよ」
などなど、
相手の領域に踏み込み過ぎないのだけど、相手が関心を持つであろう話題をちょこちょこ出す
メールでして、やり取りがじわじわと続く感じでした。
これ、今にして思うと、よっぽど考えてたんじゃないかな〜、一馬さん。
まだ全然交流がない中で、しかも顔が見えないメールでのやり取りで、ちょっとでも距離感を誤ると一気に嫌悪感が出ますよね。
嫌悪感なく、相手に興味を持ってもらう・好意的に思ってもらう。
これはなかなか難しいテクニックなのでは?と思います。
で、チーズやヨーグルトのやり取りをしていく中で、ある時、田中さんが最寄りの放牧酪農をされている農家さんに視察に行くことになったと連絡が入ります。
それはかなり気になりますよね。
だって、私もその時「中洞牧場」という放牧酪農の会社でバイトをしていたんですから。
「帰ってきたら、ぜひ詳しくお話し聞かせてください!」
と連絡すると、
「メールだと長くなって大変なので、電話しても良いでしょうか?」
と返事が来ました。
一馬さん・・・・やるね〜。
これは「はい、良いですよ〜」としか答えちゃいますよね。
そこで初めて電話をして、視察先の農場やお店のことを色々とお話してくれました。
で、その話の流れで
「もしよかったら僕と付き合ってくれませんか?
ただ僕は、付き合うってことは結婚して一緒に牛を飼うということを前提として考えています。
それも踏まえて考えておいてもらえませんか?」
と話され、
「それでしたら、はい、宜しくお願いします。」
とその場で快諾したのでした。
(続く)